田中の“ボール球”は断トツのスイング率 米TV局が絶賛「打者を眠りにつかせた」

ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】
ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

MLBトップの数値を誇る一方で、滑りやすいボールに変更してからは減少傾向と指摘

 投球において重要な位置を占める、ストライクゾーンへの出し入れ。ボール球を振らせることができれば、打者との駆け引きはより一層有利になる。米TV局「CBSスポーツ」では「MLBの3投手が打者にボール球を振らせることにいかに優れているか、またそれが2020年シーズンにおいてなにを意味することになるのか」との見出しで特集記事を掲載。ボール球を打者に振らせることに長けている3投手にヤンキース・田中将大投手の名前を挙げている。

 記事では「打者のボールゾーンのスイング率」に着目し、レッズのカスティーヨ、パイレーツのジョー・マスグローブに次いで田中を紹介。田中について「ファストボールは平均的な球速であり、またここ数シーズンにおいて、ナックルボーラーを除く投手のなかで一番ファストボールを投げる頻度が少なかった」とし「その代わりにスライダーとスプリッター、少しのカーブの組み合わせで打者を眠りにつかせた」いわゆる変化球投手だと説明している。

 この変化球がボールスイング率に大きく関係していると記事。田中のボールスイング率はここ5年では2015年がMLB全体の2位、2016年も4位としており、2017年からの3年間はトップ。5年間の平均40.0%という数値は2位の37.5%に大差をつけて断トツの数値だ。一方でこれだけゾーンを使った投球に頼っているにも関わらず、通算BB%(四球数/打席数)は米データサイト「ファングラフス」が“平均的”とする7.7%を大きく下回る4.9%と非常に少なく、類稀なコントロールの良さがわかる。

 圧倒的なボールスイング率と四球の少なさを誇る田中だが、それでもボールスイング率はここ2年と比べて下がっており、記事ではこれを滑りやすく変更されたMLB球の影響と指摘。「タナカはボールがつるつる滑りやすいことから、トレードマークであるスプリッターの握りを変える必要があった」とし「もし2020年のボールが2019年と同じものであれば、田中はスプリッターに依然苦しむかもしれず、ボールスイング率はさらに下がるかもしれない。もしボールがより滑りにくく田中が本来のスプリッターを取り戻すことができれば、ボールスイング率は2017年の水準まで上がってくるかもしれない」と予測している。

(Full-Count編集部)

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