今季ならではの戦い方? 鷹・工藤監督が描く先発6人と第2先発の重要性

ソフトバンク・高橋礼【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・高橋礼【写真:藤浦一都】

今季の特殊な事情を考慮、調整期間短い先発投手の状態を考慮した策

 ところが、この2回ほどの登板では調整期間としては決して十分ではない。ソフトバンクの投手陣もだいたい70球から80球程度しか投げていない。12日の広島戦で先発予定の東浜も、開幕1週間前の登板にもかかわらず、メドは80球ほど。急ピッチで仕上げさせるのではなく、調整段階の途中で開幕を迎える形になっている。

 そのため、工藤監督らは開幕1週目、2週目あたりまでは、先発投手であっても球数が多くならない範囲で降板させ、継投でつないでいく戦い方を想定している。通常の中継ぎ陣だけでは、中継ぎに負担が多くなる。そのため、高橋礼と松本の2人をブルペンに置き、第2先発として待機させるプランを描いた。

 高橋礼は左太もも裏の肉離れから復帰したが、まだ本調子ではない。無理に先発させるのではなく、第2先発として短いイニングを投げさせて、その中で本来のボールを取り戻していってもらう狙いもある。シーズン序盤は先発投手が4、5回、そして第2先発とリリーフ陣のリレーで戦うことになる。

 幸いにも、今季は1軍の出場選手登録枠が31人に、ベンチ入り人数も26人に拡大される。そのため、投手陣に多めに枠を割いて、十分な投手の人数をブルペンに確保することも可能となる。本来ではベンチに置いておきづらい第2先発を起用することも、これが可能にしてくれる。開幕後しばらくすれば、高橋礼とエースの千賀滉大が先発陣の中に戻ってくるだろう。

 4年連続日本一ももちろんだが、まずは3年ぶりのリーグ優勝を目指さなければならないソフトバンク。工藤監督とコーチ陣で考え抜いたローテと投手起用プラン。スタートダッシュが鍵を握るとされる今季、まずはこの戦い方でスタートを切る。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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