「この打ち方でもホームランは出る」 西武山川が確信した逆方向への一発

13日の練習試合で右翼への1発を放ち笑顔でベンチに戻った西武・山川穂高【写真:宮脇広久】
13日の練習試合で右翼への1発を放ち笑顔でベンチに戻った西武・山川穂高【写真:宮脇広久】

昨季43本のうち右方向はわずか2本、タイトル獲得も夏前からは成績が下降した

 これぞ納得の一発ということか。13日にメットライフドームで行われたロッテとの練習試合。右翼席へ2ランを放った西武・山川穂高内野手は、普段以上にはしゃいでいるように見えた。ベンチ前に戻るとガッツポーズやスキップを繰り出し、上機嫌でお約束の「どすこい」ポーズを決めた。

 というのも山川が昨季放った43本塁打のうち、36本が左翼で、5本が中堅。右打者にとって“逆方向”となる右翼への本塁打はわずか2本で、全体の5%にも満たなかったのだ。今月2日の練習試合再開後から、4発目で初の右方向への本塁打。「ライト方向に飛んだのは、たまたまです」というコメントとは裏腹に、この一発が持つ意味は大きいのではないか。

 2年連続本塁打王の山川だが、現状に満足はしていない。昨季は3~4月と5月に11本塁打ずつを量産した貯金でタイトルを獲得したが、6月以降は成績が下降。8月中旬からは4番の座を中村に明け渡した。トータルの打率も、一昨年の.281から.256に沈んだ。昨オフからシーズンを通して安定した成績を残そうと、打撃フォームをコンパクトでシンプルなものに改造中。「この打ち方でもホームランは出るはずだし、むしろレフトだけでなく、全方向でフェンスを越えるようになると思う」と語っていた。

 辻監督も「アグー(山川の愛称)は、ああいう打ち方をしていれば大崩れすることはないと思う」と目を細める。山賊打線が誇る主砲は、着実にその理想形へと近づいている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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