なぜ方程式を起用しなかった? 鷹の今季初黒星に見えた勝利と我慢のジレンマ

ソフトバンク・松本裕樹【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・松本裕樹【写真:福谷佑介】

6連戦が続く過密日程に「我慢するところは我慢しないといけないシーズン」

 その背景にはシーズン開幕直後、そして今季特有の変則的な日程が続くことによる投手運用の難しさが隠されていた。試合後、工藤監督は「今日に関してはみんな初めてで(体が)張っている選手が多かった。今日は松本くんを使って、なんとか最後の森くんに繋げられるようにと思っていた。そうならなかったのは自分の責任かなと思っています」と明かした。

 19日の開幕戦では6回途中から嘉弥真、岩嵜、モイネロ、森、そして高橋礼を起用したソフトバンクベンチ。今季の公式戦初登板ということで力が入った部分もあったのだろうか。リリーフ陣に体の張りがあったことから、無理をさせることはせず、松本に複数イニングを任せて、守護神の森に繋ぐことを考えていたのだという。

 今季は開幕カードの3連戦が終われば、そこからは19週連続で6連戦が続く。8月終わりまでは同一カード6連戦という、これまで経験したことがない戦いが続いていく。肉体的な負担が大きくなることは予想できるだけに、開幕直後から投手陣に過度な負担をかけたくないという事情もあった。

「どうやっても6連戦が続く中で、リリーフ、リリーフとやっていくと疲弊していく、登板数が多くなる。我慢するところは我慢しないといけないシーズンだと思う」。もちろん勝つことが大事ではあるが、過酷な日程が続くだけに無理使いも禁物となる。首脳陣にも我慢が必要。そういった面でも難しさの中で戦うシーズンとなりそうだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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