イチロー氏が語る“プロになる”ということ「もう一度野球選手になりたいとは言えない」

イチロー氏が“先生”となり“生徒”の質問に答える動画が公開に【写真提供:SMBC日興証券株式会社】
イチロー氏が“先生”となり“生徒”の質問に答える動画が公開に【写真提供:SMBC日興証券株式会社】

「うまくいったときは、もう言葉では表現できないような快感がある」

 オリックス、マリナーズ、ヤンキース、マーリンズで活躍したイチロー氏が“先生”となり“生徒”の質問に答える「おしえて! イチロー先生」が話題となっている。SMBC日興証券株式会社が、6月23日にYouTubeチャンネルで公開した全27本の動画には、子供から大人まで幅広い年齢層からの質問が集まり、イチロー氏が自身の経験を基に回答している。

 同社が公開したWEB動画は昨秋の「人生100年 イチローすごろく」に次ぐ第2弾。イチロー氏が先生役として教壇に立ち、小学生から70代までの“生徒”からの悩み相談に答える形となっている。今回は「子供」編の中から、イチロー氏が夢と“プロ”について語った内容について紹介する。

 イチロー先生が夢について問うと、子供たちの中に「僕は寿司屋を開きたいという夢がある」と語る男子生徒が。これにイチロー氏は「これはね、今すごく面白い話だったんだけれど……」と語り出し“プロであること”について自身の経験、考えを伝えている。

「これはつまりプロになるってことだよね、それは。職業だからね。お寿司が大好きだったのが、自分の仕事になると、大変なことがほとんどで、心から楽しめなくなるという現象が起きる」

 イチロー氏も好きだった野球を職業にし、プロ野球選手となった。日本のプロ野球、そしてメジャーリーグで計28年間プレーした。ただ、やはり幼少期と違い「昔、小学生中学生の時にやっていた野球とは全く違って、そういう楽しさはゼロだったね。ゼロです」という。

「プロになるとやっぱり責任が付いて回るので、うまくいったときの気持ちよさというのは、もう言葉では表現できない、口ではもう説明できないような快感がある」と、結果を残した際には格別の快感があるという。ただ、その一方で「基本的には失敗と常に向き合うことの時間になるので、すごく大変なこと」と、それ以上に苦労が多いようだ。

 そして、教室にいる生徒たちに向けて「もう一度、同じ人生を、野球選手になりたいかと聞かれたら、はっきりとやりたいと言うことはできない。というのが、プロの世界だということは知っておいてもらいたいね」と伝えた。“プロとして生きる”ことへの難しさ、苦しさ。28年間、野球界の第一線でプレーしてきたイチロー氏の重みある言葉だった。

【動画】「心から楽しめなくなる」イチロー先生が“プロになる”ことを子供たちに真剣に語る映像

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