DeNA、今永、浜口ら大卒投手王国で巨人猛追だ! 鍵を握るコンディション管理

DeNA坂本裕哉(左)と今永昇太(左から)【写真:津高良和、荒川祐史】
DeNA坂本裕哉(左)と今永昇太(左から)【写真:津高良和、荒川祐史】

DeNAは今永ら大卒投手が投手陣を牽引している

 DeNAは30日から巨人との首位攻防戦に挑む。DeNA先発陣に欠かせないのが“大卒投手”の存在だ。坂本裕哉投手は25日の中日戦(横浜)でプロ初登板、初先発初勝利をマークした。立命館大からドラフト2位で入団した坂本はオープン戦、練習試合で結果を残して開幕ローテ入り。開幕6戦目での初登板は5回までノーヒットの快投を見せ、6回に足首を捻るアクシデントで降板したが、打線の援護もあり、勝ち投手となった。

 開幕早々の坂本の勝利でDeNAは15年以降、大卒ルーキーが5年連続で勝ち星を記録した。15年はクローザーの山崎康晃(亜大卒)が2勝37セーブで新人王に輝き、先発でも石田健大(法大卒)が2勝をマークした。16年は今永昇太(駒大卒)が8勝。17年は浜口遥大(神大卒)が10勝と2桁勝利を記録し、18年も東克樹(立命大卒)が11勝で新人王に輝いた。

 ここまで山崎康以外が全てサウスポーで「左腕王国」と呼ばれた19年は、ドラ1右腕の上茶谷大河(東洋大卒)が先発ローテ入りして7勝を挙げた。昨年のドラフトでは、1位指名で高校生内野手の森敬斗を獲得したが、2位の坂本が記録を引き継ぐ形となった。今季は明大からドラフト3位で入団した伊勢大夢も開幕1軍入りを果たしており、大卒選手を中心とした投手王国が現実的なものとなっている。

 この現状の背景には、徹底したドラフト戦略がある。DeNAは14年以降、1位入札は大卒の投手で、14年は有原航平(早大)の抽選を外して山崎康、16年は柳裕也(明大)、佐々木千隼(桜美林大)を外した後、浜口を獲得している。

 18年は競合覚悟で高校生の小園海斗内野手(広島)にチャレンジしたが、抽選を外すとすぐに上茶谷と従来の路線を引き継いだ。19年はドラフト前の予想では明大の森下暢仁の指名が有力視されていたが、競合を避けて前年逃した高卒野手の森を指名。それでも2位で坂本を獲得と、方針にブレはなかった。

 上位指名がほとんど例外なく活躍するのはスカウトの眼力の賜物と言えるが、大卒投手の連続上位指名は好循環をもたらしている。球団初の左腕投手による初登板、初先発初勝利をマークした坂本は、立命大で東の2年後輩。東は坂本が「大学で絶対にプロになろうと思ってやってきた。東さんという最高のお手本がいて、先にプロ入りされて基準にもなった。あの人がいたからこそプロになれたと思う」と、学生時代からその背中を折ってきた存在だ。

大卒投手間で好循環も東、上茶谷ら故障者が出ている

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY