手探りでのプロ野球有観客開催 入場者を約1500人に限定した鷹の取り組みと今後の課題

懸念されるチケットの転売行為についての対策は…?

 客席は指定席制となっており、前後左右で観客同士が接近しないように“市松模様状”になるように座席を配置。入場時の体温測定やアルコール消毒なども徹底され、試合終了後も、スタッフの先導による制限退場に。スタンドの売り子たちによる販売はなく、アルコール類は屋外に設置した売店での販売のみ。初戦はまず大きな混乱もなく終えた。

 今後は人数が増え、7月21日からは5000人を上限とした有料開催となり、8月からはチケットの一般販売も始まり、上限2万人となる予定だ。今後は観客が増えた場合の“ソーシャルディスタンス”の取り方や、この日も見られた、どうしても試合の佳境で起こってしまうファンの総立ちの現象などの事象に対応していくこと、そして来場者の来場後14日間の追跡がどこまでできるかが課題になるだろうか。

 また人数が限られていることで懸念されているのが、チケットの転売行為だ。球団によれば、チケット購入者は新型コロナウイルス対策のため個々の情報を登録する必要があり、通常開催時よりも個人を特定しやすいという。入場時にも個人のデータは必要となる。それでも、転売する悪質な人間が出る可能性はある。例え、生で観戦がしたくとも、感染防止の観点からも転売チケットの購入は避けてもらいたいものだ。

 もちろん体調に異変がある場合の来場の自粛やマスクの常時着用といった基本的な感染防止策を来場者個々人が徹底することも重要だ。ようやく始まった有観客試合の開催。球団、ファンが一体となって、安全な野球観戦の場を続け、守っていきたいものだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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