イチロー氏引退でスター不在のマリナーズ 菊池雄星や有望株が握るチーム再建の鍵

長年マリナーズの「顔」だったフェリックス・ヘルナンデス(左)とイチロー氏【写真:Getty Images】
長年マリナーズの「顔」だったフェリックス・ヘルナンデス(左)とイチロー氏【写真:Getty Images】

球団は今季をスター選手に頼らないチームになるための再建期間と捉えている

 昨季現役引退したイチロー氏に加え、今オフにMLB通算169勝のフェリックス・ヘルナンデス投手が退団したことでスター不在がささやかれるマリナーズ。AP通信では「短縮シーズンでも、マリナーズの焦点は未来にある」との見出しで今シーズン以降の展望を報じている。

 記事では「マリナーズは20年ぶりにイチロー・スズキもフェリックス・ヘルナンデスも開幕ロースターにいない状態でシーズンを始める。この2人のスターはここ20年間フランチャイズの顔として仕えた」と2人のスター選手を紹介。イチロー氏がデビューイヤーにMVPに輝いた2001年以降、マリナーズが約20年間にわたりプレーオフ進出を逃し続けている現実に触れ「この期間、イチローとヘルナンデスこそがひどい野球を観るためにファンが(球場に)姿を現す本当の理由だった」と2人の貢献を伝えている。

 チームの顔である2人を失ったマリナーズは今後どうなるのか。記事では「単一のスター選手に頼らないタイプのチームになるための転換点にいる、と球団は信じている」とし、球団のチーム再建計画に言及。カイル・シーガーやディー・ゴードンらベテランに一部を頼ることになりつつも、「今年の経験が将来実を結ぶことを期待し、かなりの部分をエバン・ホワイトやカイル・ルイスら若手に頼ることになるだろう。若手の核となる選手にトッププロスペクトが加わり、そのタイミングでFA選手も補強すれば、全てがそろったときにはマリナーズは計画が成功だったことを証明できるだろう」と伝えている。

 一方で「60試合制のシーズンにおいてさえ、今年はマリナーズが実を結ぶ年にはならないだろう。むしろ、球団が2021年にコーナーを曲がりはじめることに希望は残っているが、短縮シーズンは再建計画を遅らせるかもしれない」と来季以降に舵を切るため、今年の成績も期待できないことを示唆。また、今季2年目を迎える菊池雄星投手については「どれだけ進化を遂げられるかしっかりと見ていくことになるだろう。キクチは困難なメジャー1年目を過ごした。たまに素晴らしく見えるときがあったが、他の時は見る影もなかった」と厳しい見方を続けている。

 イチロー氏とヘルナンデスというチームの顔が去り、大きな転換期を迎えているマリナーズ。チームの未来は、菊池や若手選手たちの台頭にかかっている。

(Full-Count編集部=AP)

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