ファンもどよめく犠打 強行策一転のラミレス監督「バントのサイン出したかったから」

DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:荒川祐史】
DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:荒川祐史】

ここ数試合では走者が一塁でも送らないシーンが目立っていた

■ヤクルト 6-4 DeNA(21日・横浜)

 DeNAは21日、横浜スタジアムで行われたヤクルト戦に4-6で敗れた。先発したピープルズが勝利投手の権利がかかった5回に連打を浴びて逆転を許した。打線は相手を上回る10安打を放ったが、再三の好機を生かせなかった。

 開幕直後のチームの快進撃を支えたオースティンが故障で離脱し、観客の戻った地元・横浜スタジアムで4連敗。チームのムードは決して明るくはないが、ラミレス監督は「今日はヒットが10本出たし、状態は上向いている」と打線に手応えをつかんでいる。あと一本が出なかったこの日の展開には「打つ時があれば打てない時もある。こういう悪い状態が続いてしまうのも野球ということ」と悲観することはなく、「とにかくしっかりスイングすることを続けていくこと。いつも言っているが、野球というのは流れが重要なスポーツ。一度、流れに乗ることができればまた変わってくるはず」とポジティブ思考を貫いた。

 打線の中でも、特に1番で打率3割をキープする梶谷は、この日も先頭打者弾を含めた2本塁打と好調が続いている。ラミレス監督は「ホームランを打とうとしているわけではなく、しっかりとスイングした結果のホームラン。非常によかったと思う」と頼もしそうだった。

 連敗が続き、自身の采配についても批判の声が多く聞かれるようになっているが、この日の試合後には、ピープルズの替え時について質問が出た。

 5回に4連打で逆転され、さらに1死三塁の場面となってからの交代については、「平田を用意してはいたが、この回はなんとかピープルズでしのぎたいと思っていた」と説明。続いて場内にざわめきが起こった2回のピープルズの送りバントについて問われると「ランナー一塁だったのでバントさせた」とだけ答え、平良の強行策が賛否を呼んだ19日の巨人戦との関連性を聞かれても「今日はバントのサインを出したかったから、出しただけ」と詰め寄る記者をかわした。

 観客ありの横浜スタジアムで今季まだ勝ち星がなく、6連敗で借金3と苦しい状況は続いている。それでもこの日はオースティンがイースタン・リーグの巨人戦で実戦復帰して4打数0安打だったが、ラミレス監督は「(故障した箇所は)かなりよくなっている」と期待を寄せた。「チームの状態は徐々に上がってきている」という指揮官は「こういった連敗の後には、必ず連勝が来るもの。とにかく下を向くことなく、トライしていきたい」と反攻を誓っていた。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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