プロで実現した2013年の甲子園春夏優勝投手対決 西武高橋光とロッテ小島の“現在地”
今季防御率は高橋光が5.34で、小島が4.78
近い将来のエースと目されている高橋光への期待値は高く、西武・辻監督はめったに手放しではほめない。今季2勝目を挙げた6月30日のオリックス戦でも、6回まで無失点で抑えながら、3点リードの7回にロドリゲスの2ランを含む3連打を浴びて降板。投球数が100に近づき、いったん崩れ始めると歯止めがきかず、指揮官は「急にガタッと馬力が落ちた。厳しいことを言うようだが、もう少し頑張ってもらいたい」とおかんむりだった。
その点、この日は負けたとはいえ、求められていた粘りを見せた。2点ビハインドで迎えた7回、2死満塁のピンチを招いたが、この日120球目にして149キロを計測して4番・安田を中飛に仕留め、追加点を許さなかった。辻監督も「粘ったといえば粘ったが、相手投手にもいいピッチングをされて、粘り切れずに先に点を与えてしまったところが今ひとつ」と注文を付けながら「全体的には2失点で頑張った」と評価した。
一方、ようやく“呪縛”を解いたのが小島だ。埼玉県出身で、メットライフドームはいわば“地元”。昨年4月4日にこの球場でプロ初登板(先発)を果たしたが、2回8失点で黒星を喫した。同7月17日にも再びメットライフの先発マウンドに上がったが、4回1/3で4点を失い返り討ち。今年も今月8日にZOZOマリンで行われた西武戦に先発したが、6回2失点で3たび敗戦投手となった。西武戦は過去3戦3敗だっただけに「去年ここで負けてから、早く1勝がほしかった」と胸をなでおろした。
今季防御率は高橋光が5.34で、小島が4.78。ともに先発ローテの柱としては胸を張れる数字ではない。この日を“ライバル伝説”の序章として、お互いを高め合っていってほしいものだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)