リーグ3連覇に向けた西武の光明 メヒア復帰&若手成長で整いつつある駒

川越と鈴木の急成長で「チーム内の競争が激しくなる」

 32歳の木村は、前日まで2試合続けて右翼スタメンの座を野手転向2年目、27歳の川越に譲っていた。しかも23日にはその川越がプロ初本塁打を値千金の逆転2ランで飾った。危機感が美技を呼んだと考えても、あながち的外れではないだろう。

 辻監督は開幕前から、川越とプロ4年目・22歳の鈴木の名前を挙げ「2人とも成長している。外野にはスパンジェンバーグ、木村、金子がいるが、彼らに何かあれば、すぐに代われるところまできている」と高く評価していた。鈴木の方はこの日まで13試合連続で「1番・中堅」で先発し打率.310と好調。首痛で戦列を離れている金子に取って代わるような勢いで、指揮官を「チーム内の競争が激しくなる」と喜ばせている。

 相手先発の種市には前回対戦の今月11日に続き、2試合連続で10三振を奪われ連敗。辻監督は「前回もそうだったけれど、三振をよく取られるよね」とボヤいたが、この日はメヒアと入れ替わりに栗山と中村の野手最年長コンビをまとめてスタメンから外していた。今季打率.315と好調な栗山は8回に代打で登場したが、空振り三振。「少し背中が張っている」(辻監督)という中村は完全欠場で休養した。

 もともと辻監督は「今年、栗山と中村は休ませながら起用したい」と語っている。ここ1番で頼りになる実力者と見込んでいるからこそ、今年37歳になる2人に無理をさせず、極力故障を避ける方針だ。期待の若手は順調な成長ぶりで、ベテランの起用も予定通り。野手陣に関しては辻監督の目論見通り、シーズンの勝負所へ向けて徐々に駒がそろいつつあるといえそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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