ヤクルト“投壊”は投手だけの責任? 藪恵壹氏が「これは痛い」と指摘する要因とは
ホームランの出やすい神宮球場に「僕は5点リードでは安心しなかった」
ただ、この11四球が大量失点を招いたことは事実だ。
「神宮球場、東京ドーム、横浜スタジアムといった狭い球場の場合、僕はソロホームランでの1点は仕方ないと思っています。ただ、走者がいる場面で打たれてはいけない。ましてやフォアボールで走者を溜めて、ホームランを打たれてはダメ。狭い球場だと、力のある外国人選手は特に、外角の球にバットが当たればスタンドに入ってしまいます。だから、インコースを上手く使う必要があるんです」
この日、ヤクルトは2回の攻撃に入る前に、ベンチ前で円陣を組み、気合を入れ直した。すでに7点を失っていたが、直後の攻撃で宮本が3ランを放って4点差。藪氏は「神宮では5点差あっても逆転される可能性がある。僕はいつも、そう思って投げていました」と話す。
「神宮は何が起こるか分からない球場。僕は5点リードくらいだったら安心はしなかったし、実際に追い上げられたことが何度もあります(笑)。だからこそ、今日のヤクルトは3点取った直後の3回表、エスコバーのエラーをきっかけに2失点したのが痛かった。あれで勢いが削がれてしまいましたね」
投げる、打つ、守るの全てがちぐはぐな形になってしまったヤクルト。3位の阪神に勝率でわずか3厘上回り、ゲーム差なしの2位をキープしたが、この日の大敗が29日以降の対戦に影響を与えないよう、きっちり切り替えて試合に臨みたいところだ。
(佐藤直子 / Naoko Sato)