打者の視界から消え去るスプリット お股ニキが選ぶメジャーの名手4人とは…

エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】
エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

怪我がなければ最強クラス、二刀流復活の大谷翔平が操るスプリットの有効性

「プラス1」ではベテラン右腕のホーマー・ベイリーを取り上げようか迷ったが、手術前の水準に戻ればMLB最強クラスである大谷翔平のスプリットを取り上げることにした。

【プラス1】2018年の大谷翔平(エンゼルス)右投
回転効率38.6% 平均球速87.21マイル(約140.4キロ) Spin Axis 2:10 1306回転 
空振り率27.8% 使用割合22.52% 被打率.036 ピッチバリュー/100:4.21

 2018年序盤、MLBの舞台でも二刀流で旋風を巻き起こした大谷翔平。その中でも猛威を振るったのが、このスプリットだった。被打率.036、空振り率27.8%とMLBでも最強クラスの高い指標を記録。打者は空振りを繰り返し、まともにバットでボールを捉えることすら難しかった。

 大谷が投げる最強スプリットは、4シームと似た横変化量と軌道でカクッと沈む「88マイル(約141.6キロ)のジャイロボール」。あまりに有効であるが故に、カウント球としても決め球としても頼りがちになる部分もあった。トミー・ジョン手術から復活する今季は、どのようなキレを見せてくれるか楽しみだ。4シームの質も上げることができれば、このスプリットとスライダー、カーブとの合わせ技でピッチングも楽になり、投手としても世界トップを狙えることだろう。

※回転効率:総回転数のうちボールの変化に影響を与える回転数の割合。

※Spin Axis:回転軸の傾き 時計盤の中心にボールがあると考えて“時間”で表記。例えば「6:00」の場合、ボールは投手からホーム方向へ12時から6時へ下向きの回転(トップスピン)をすることを示す。「12:00」の場合は6時から12時へ上向きの回転(バックスピン)、「3:00」の場合は9時から3時へフリスビーのような右向きの回転(サイドスピン)、「9:00」の場合は3時から9時へ左向きの回転(サイドスピン)となる。

※ピッチバリュー/100:その球種が生み出した得点貢献(期待失点の減少)を、100球投じた場合の平均に直したもの。例えば、ある投手の4シームが2.00ならば、「4シームを100球投げることで平均よりも2点の失点を減らした」ことになる。

【動画】謎の解説者お股ニキ氏も絶賛! ダルビッシュ有の切れ味バツグンのスプリット映像

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