突発的なスタメン抜擢や代打起用 DeNAラミレス監督の選手起用にある根拠

逆に梶谷やロペス、ソトは敵地での相性に優れている

 リリーフ陣ではエスコバーが13試合で防御率0.00、石田も11試合で防御率0.96と抜群の相性を誇っている。逆に本拠地での成績が思わしくないのが、今季は防御率5.87と不振で守護神の座を外された山崎。本拠地での防御率は11.12と目も当てられない状況だ。山崎は昨季こそ横浜スタジアムで1.72と年間防御率を上回る数字を残しているが、2018年は5.08、2016年も5.50と1年おきに5点台を記録しており、苦手なスタジアムと言わざるを得ない結果となっている。

 ビジター球場を見ると今季1番打者として復活した梶谷が甲子園で.375、マツダで.333と、自身の地元(島根県)に近い西の球場で高打率をマーク。横浜スタジアムで振るわないロペスは、かつての本拠地・東京ドームで.429と抜群の強さを誇り、神宮球場でも.346と、こちらは東の球場を得意としている。神宮ではソトも3試合の出場で3本塁打、8打点、打率.538と大当たりしており、マツダスタジアムでも5試合で.409と相性がいい。

 準レギュラークラスの選手では、打率.263、横浜スタジアムで.250の柴田がマツダスタジアムで.400、ナゴヤドームで.385と特定の球場で好成績。マツダスタジアムでは主砲の佐野が.421、梶谷が.333、準レギュラークラスでも倉本が.444と好成績を残している選手が多く、今季の敵地での対戦成績が3勝1敗1分と好相性の要因となっている。

 現役時代に380本塁打を放ったラミレス監督は「どんな選手でも、この球場ではフィーリングがいい、と感じることがあるもの。自分も現役時代にそうだった。この球場なら、誰が投手でも打てそうということがあった」という。自身の得意だった球場としては東京ドームと神宮球場を、相性の悪い球場として甲子園球場を挙げる。

「それぞれのいいイメージ」を考慮しての選手起用。突発的にも見えるスタメン抜擢や代打起用など、批判を受けることも多いラミレス采配だが、データを見ると“その理由”が浮かび上がってくる。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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