鷹6年目・笠谷が先発初勝利 苦悩の左腕を支えたファームでの教え「技心体なんだと」

「自分のストレートが投げられない。すごく悩んだ時期がありました」

 6年目で挙げた2つの白星。笠谷は「苦しい時期が長くて、自分のピッチングができていなかった」と、ここまでの道のりを振り返った。

「プロ初登板(2017年8月23日)した次の年から、2軍で先発で投げてもストレートがおかしくなって、自分のストレートが投げられなくなったんです。投球フォームが悪いのか、気持ちの面なのか、すごく悩んだ時期がありました」

 その間、笠谷の力になってくれたのが倉野信次、斉藤学、久保康生といったファームのコーチ陣だったという。

「倉野さんからは『気持ちで負けるな』と言われ続けたし、学さんからは『技術を磨いて心が安定する。技術を高めて自信がつけば、強気の面も出せる』ということを言われて、確かにそうだと思いました。『心技体』ではなくて『技心体』なんだ、と」

 笠谷は「いろんな人の意見を聞いて、練習もして……。遠回りというか、長かったと思うんですけど、それがあったから今こうしてちゃんと投げられているんじゃないかなと思います」と、支えてくれたコーチ陣に改めて感謝の気持ちを示した。

 同じ大分商出身で、明治大を経て今季から広島に入団した森下暢仁投手とはLINEを使ってよく連絡を取り合っているという。「適当な話しかしないです。こないだ完封した時に『おめでとう』と送ったら『頑張りました』と返ってきました。でも『次、やばいです』って」としながらも、1学年後輩の活躍は大きな刺激にもなっている。笠谷は「負けられないですね、やっぱり。負けられないです」と繰り返した。

 27日の試合では、森下と同期の大分商の後輩・川瀬晃がショートを守った。「いつもエラーされるので『頼むぞ』って言いましたよ」と笑わせながらも「ヒカルもしっかり守ってくれましたしね」と、リードしてくれた甲斐拓也を含めた大分勢の活躍を喜んでいた。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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