32回で58K、驚異の奪三振率16.8 鷹モイネロが語る三振奪取の“秘訣”とは?

中村晃とお立ち台に上がったソフトバンクのリバン・モイネロ(左)【写真:福谷佑介】
中村晃とお立ち台に上がったソフトバンクのリバン・モイネロ(左)【写真:福谷佑介】

32試合に登板して58個の三振を奪っているモイネロ

■ソフトバンク 8-5 日本ハム(30日・PayPayドーム)

 30日に行われた日本ハム戦で逆転勝ちを収め、今季最長の8連勝としたソフトバンク。初回に4点を先行されながら、柳田や中村晃、グラシアルの一発など打線がものの見事にひっくり返して、見事な逆転勝利を収めた。2カード連続の3連勝、貯金も今季最多の14にまで膨らんだ。

 この試合で3点差の8回にマウンドに上がったのがセットアッパーのリバン・モイネロ投手。今季ここまで驚異的な活躍を見せているキューバ人左腕はこの日も安定した投球を披露した。代打の杉谷を左飛、代打のビヤヌエバを三振、そして中島を遊ゴロに打ち取り、危なげなく3者凡退に封じた。

 試合後には今季初のお立ち台にも立ったモイネロ。ここまでの自身の投球について「自分もいい状態を保てている。しっかりとトレーニングをして、コンディションを整えていきたい」と語る。これが今季62試合目にしてリーグ最多32試合目の登板。実に全試合の半分以上に投げているが、ここまで1勝1敗1セーブ23ホールド、防御率1.45の好成績を残す。奪三振数は58、奪三振率は驚異の16.8にもなる。

 これほどの三振奪取率の高さはどこに要因があるのか。もちろん、150キロ台中盤をマークする真っ直ぐ、そして曲がりの大きいカーブが最大の武器である。それに加えてモイネロは「毎回、球数を少なく投げることを意識している。今日も12、3球と少ない球数で抑えることができた」と語る。ストライクを先行させ、有利なカウントで進めることにより三振数の増加に繋がっていると自ら分析している。

 球数を減らすことには別の狙いもある。「コンディションを維持するためには球数を抑えていく必要がある。1年を通してチームの助けになるように、球数を抑えるようにしているよ」。練習中に全力で投げる球数を減らすなど工夫し、試合だけでなく、シーズントータルで投げる球数を減らすことも考えているという。

 心配されるのは“登板過多”による故障離脱、そして来季以降の影響だ。近年は岩嵜翔や加治屋蓮、甲斐野央ら活躍したリリーフ陣がその後故障に悩ませることが増えている。「今年はいい体作り、調整ができた。今は体の不安はない。球速もコントロールも満足いくものが出ている。32試合に投げているけど問題はないよ」というモイネロ。この男無くして、ホークスの台所は回らない。それほどまでに、左腕への信頼は大きく、欠かせない存在だ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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