大学では公式戦登板なし 28歳の苦労人、鷹・渡邉雄大が掴んだ支配下昇格と示した可能性

「1人でも多くの選手がそういう可能性もあるんだと、野球を長く本気で続けるキッカケに」

 会見では「26歳で独立リーグでプレーしていた自分を見つけ出してくれて、29歳まで成長する機会を与えてくれ、支配下契約とまた1つ挑戦する場を与えてくれた球団に感謝の気持ちでいっぱいです。支配下というとうこで責任とプレッシャー出てくる。自分のすべきことをやってチームに貢献したい」と自身を発掘し、そして成長させてくれた球団への感謝の思いを語る。

 公式戦での登板がなかった大学時代、4年間の独立リーグでの経験、2年半の育成時代。それでも諦めることなくひたむきに野球を続けてきた渡邉雄は「NPBに入るまでも遠回りをしてここまできている。大学では公式戦で1試合も投げない中で独立リーグに進んで、本当に多くの人に支えられて、助けられてここまできている思っています。そういう方々の思い、応援が自分を奮い立たせてくれて、ここまでやってこれたと思います」と周囲の支えに感謝した。

 28歳で本当の意味での“プロ野球選手”となった渡邉雄。この支配下昇格は後進たちの新たな道標となるかもしれない。26歳での育成指名、28歳での支配下登録。諦めず、ひたむきに努力を続ければ、夢が叶うかもしれない――。そんな姿を渡邉雄は示した。

「自分は26歳でドラフトで指名していただいて、29歳の年で支配下登録をしていただける。今までなかなかそんなことはなかったと思います。野球人口が減る中で1人でも多くの選手が、そういう可能性もあるんだと、大好きな野球を長く本気で続けてもらうキッカケになれば嬉しいなと思います」

 ようやく歩み出した支配下選手としての第一歩。遅咲きの“オールドルーキー”が1軍の舞台で結果を残す。その姿を見て、またプロ野球の世界を志す若者や子供たちが出てきてもらいたい。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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