生涯打率は打数が基準、投手の失策は自責点にならない? 今更聞けない野球用語

今季は阪神の藤浪が8月5日の巨人戦の6回に3失点も自らのエラーもあり自責点にならず

○「失点」と「自責点」

 投手の「失点(Run 略称R)」とは、投手が投げている間に相手チームに入った点だ。これに対し「自責点(Earned run 略称ER)」は、投手の責任で失った点だ。自責点は「防御率(Earned run Average)ERA」の算出の基準になっている。

 失点は、投手が投げている間に、相手チームに入ったすべての点が含まれるが、自責点には野手の失策、捕逸、打撃妨害、走塁妨害によって入った点は含まれない。ただ失策が絡んでも、その失策がなかったとしても得点していたと認められるケースでは公式記録員の判断で自責点が付くことがある。

 2死後に失策による出塁があり、それが失点に結び付いた場合は、以後の失点はすべて自責点にならない。大量失点しても自責点0というケースがしばしばみられる。「失策がなければ3アウトチェンジで、以後の失点はなかった」と解釈されるからだ。

 投手が走者を塁上に残したまま降板し、替わって登板した投手が安打を打たれて失点した場合は、降板した投手に自責点が付く。つまり、走者を残して降板した投手の自責点は、降板した時点では確定しない。

 自責点に関しては「投手の失策がもとで点が入った場合は、自責点とすべきではないか」という議論がある。「記録の神様」故宇佐美徹也氏もそう主張していた。今季でいえば、8月5日の阪神-巨人戦の6回、藤浪晋太郎は3失点したが自身の失策が絡んだために自責点が付かなかった。投手も野手だから自責点はつけなくていいという意見もあり、この議論にはまだ決着がついていない。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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