菅野智之の“真の凄さ”はどこに? 82年前の大記録に挑む右腕を沢村賞右腕が分析

巨人・菅野智之【写真提供:読売巨人軍】
巨人・菅野智之【写真提供:読売巨人軍】

川崎憲次郎氏が指摘する菅野が一流投手たる所以とは…

■巨人 3x-2 DeNA(1日・東京ドーム)

 開幕からいまだ黒星つかずで9連勝中の巨人・菅野智之投手。1日の本拠地DeNA戦は、1938年にスタルヒンが11連勝して以来となる、球団史上2人目の開幕10連勝に挑んだが、8回途中を2失点で勝敗はつかなかった。8回途中に逆転の走者を残したままマウンドを下りたが。同点にこそ追いつかれても逆転はされず。敗戦とならないところにエース右腕の勝ち運の強さが見られる。

 実際、この日も5回に無死満塁、7回に2死一、二塁のピンチは迎えたが、それ以外はDeNA打線を圧倒。時折、マウンド上で笑みさえ浮かべた菅野のピッチングに「さすが」と唸る人がいる。現役時代はヤクルトと中日でプレーし、1998年に沢村賞を受賞した川崎憲次郎氏だ。

 いまや日本を代表するピッチャーとなった菅野が、他の投手と一線を画する一流たる所以はどこにあるのだろうか。川崎氏は「基本球のコントロール」と「大事な1球を間違えずに投げ切る力」にあると話す。

「基本球」とは、外角低めのストライク球のこと。投手にとって、このコースに投げるコントロールをつけることは、打者を仕留める基本とされている。つまり、菅野はまず「基本に忠実なボールが投げられる」ということだ。

「打者の左右に関係なく、アウトローに投げられる。例えば、5回無死満塁の場面で迎えた上茶谷投手の打席です。投手とはいえ、初球の高めストレート、2球目の外角スライダーをファウルされました。それでもカウント2?2から外角低めのスライダーで空振り三振。続く戸柱(恭孝)選手の打席もカウント1?2から外角低めのフォークで投手ゴロ。基本球をいつでも必要な時には自信を持って投げられるので、勝負を優位に運ぶことができます」

川崎氏が絶賛する「必要な時に、大事な1球を間違えずに投げきる力」

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