今年のロッテなぜ強い? チーム防御率&打率は下位も、専門家が指摘する「しつこさ」

「ロッテは次世代を見据え、育てながらこれだけ勝てているのだから立派」

 対照的に、負けたソフトバンクは1点ビハインドの5回、先頭の明石が右前打で出塁したが、続く甲斐は送りバントをファウルにした挙句、カウント1-2からバスターエンドランのサインに対し、低めのボール球を空振りし三振。スタートを切っていた一塁走者・明石も刺されて併殺となり、チャンスの芽を摘んでしまった。柳田ら主軸が好調の時は、豪快に打ち勝つ野球を展開できるソフトバンクだが、現状のように打棒が振るわない時には、ロッテのように自分がアウトになっても走者を進めて次へつなげる姿勢が必要になる。

 また、井口監督は7月中旬からプロ3年目・21歳の安田を4番に置き、打率.217、4本塁打の不振にも関わらず動かしていない。育成型の4番といえる。飯田氏は「確かに、安田の長打力には非凡なものがある。首脳陣は、同い年のヤクルト・村上があれだけ打っているのだから、おまえもやってみろ、とハッパをかけているのではないですか?」と評する。「ロッテは次世代を見据え、育てながらこれだけ勝てているのだから立派。いまのロッテ打線で、安田が打ち始めたら手がつけられなくなる。そういう意味で、今季の残り試合のキーマンといえるかもしれません」と続けた。

 今季のロッテは、オリックス(12勝2敗1分)とソフトバンク(7勝3敗1分)の2球団から“大口”の貯金を稼ぎ、日本ハムとはほぼ5分(7勝5敗)。西武(5勝9敗)、楽天(6勝9敗)には負け越している。優勝にこぎつけるには、“お得意様”との関係を維持しつつ、苦手なチームからも星を拾いバランスを取ることも必要になりそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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