なぜソフトバンクはロッテが苦手なのか? 深刻な課題は“選ばれる”“選べない”

ロッテへの四死球数は突出して多く、12試合で82個にもなる

 ソフトバンクの与四死球の数を各球団別に見ると、西武48(11試合)、楽天61(12試合)、日本ハム51(15試合)、オリックスが70(18試合)となる。12試合で82個のロッテはその中でも突出して多くなる。

 ソフトバンクの今季の四球数228個、与四球数277個はともにリーグ5位。これより数字が下回るのは最下位のオリックスしかいない。かたや、ロッテの四球数305はリーグトップ、与四球数236個はリーグ3位と、双方に明らかな差がある。

 前日5日時点でソフトバンクのチーム打率は.240。ロッテは.245とその差は5厘しかない。だが、出塁率に目を移せば、ソフトバンクの.313に対してロッテは.347になり、その差は3分4厘も開く。実は昨季も、ソフトバンクは四球数、与四球数でともにリーグワースト。チーム打率.251はリーグ2位タイだが、チーム出塁率.312は最下位オリックスを少し上回るだけの5位だった。

 与四球の多さはそれだけ走者を背負うことになり、球数も嵩む。攻撃のリズムにも悪影響を与える。逆に四球を選ぶことができれば、相手にそういう影響を与えることができる。工藤監督は常々、チームの与四球の多さについて「投手は出そうと思って出しているわけじゃない」と言うが、それでも、やはりこの多さは問題だろう。そして、柳田悠岐というリーグ屈指の四球数を誇る打者がいるにもかかわらず、チーム全体の四球数の少なさも改善すべき点だ。

 この状況の中で毎年、優勝争いを演じ、今季も首位に立っているソフトバンクはやはり強い。ただ、この四球を“選ばれる”“選べない”は、昨季からの課題だった。この攻守両面での“四球問題”を解消できれば、ロッテへの苦手意識も和らぎ、そして、リーグ優勝にも近づくのではないだろうか。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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