川崎宗則がたった1球で示したスター性 初球弾に盟友西岡も唸る「さすがの一言」

ハイタッチをする川崎宗則(左)と西岡剛【写真:荒川祐史】
ハイタッチをする川崎宗則(左)と西岡剛【写真:荒川祐史】

チーム事情考慮し、西岡との「二遊間コンビ」復活はお預け 栃木ファンに「気軽に話しかけて」

 20代前半でソフトバンク不動の遊撃に君臨し、メジャーリーグにも挑戦した39歳の存在感は、やはり別格。初回の守備では強烈なゴロをファンブルしながらも素早い送球でアウトにすると、割れんばかりの拍手が巻き起こった。立ち上がりに2連続で守備機会が訪れ「とにかく僕のところに打たせるなと思ってたんですが、成瀬くんが2回も打たせて」と、先発の元ロッテ・成瀬善久投手に“クレーム”をつけてスタンドの笑いを誘った。この日は5回の守備から退いたが、ベンチでは最後まで誰よりも大きな声でナインを鼓舞。初回の守備につく時や、ヒーローインタビューを終えた際はスタンドに深々と一礼し、その姿にファンは釘付けだった。

 デビュー戦では西岡との「二遊間コンビ」復活はお預け。シーズン当初からチームで二遊間を形成してきた20代前半の齋藤尊志内野手と内山翔太内野手がプロ注目の選手とあって、スカウトへのアピール機会を確保したい事情もある。それは川崎も西岡も十分理解した上で「また近いうちに機会があれば」と期待した。

 BCリーグのシーズンは10月まで。川崎は昨季プレーした台湾プロ野球に戻ることを希望しているが、たとえ2か月弱でもどっぷり栃木に染まるつもり。この日のアーチを振り返り「人生一のホームランを栃木で打てたのがうれしいです。栃木に家を建てたいなと考えてます」とリップサービスも交えながらニッコリ。栃木のファンには「気軽に話しかけてほしい。方言も教えてほしい」と呼びかけた。新天地でこれ以上ないスタートを切ったムネリンが、これからさらに驚きを届けていく。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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