米最多652セーブの投手も武器にした「カッター」 お股ニキ選出の“現役名手4人”は?

レッドソックスのマーティン・ペレス【写真:AP】
レッドソックスのマーティン・ペレス【写真:AP】

カットボールの有効活用で復活した左腕ペレス

【プラス1】マーティン・ペレス(ツインズ・2019年)左投
回転効率30.4% 平均球速88.1マイル(約141.8キロ) Spin Axis 0:33 2306回転
空振り率10.8% 使用割合30.82% 被打率.214 ピッチバリュー/100:1.6

 近年、ベテランの技巧派がカッターを覚えて有効活用し、復活・再生する例が増えている。昨季シャーザーとともに世界一に貢献したアニバル・サンチェス、ウェイド・マイリーなどが代表的で、今季もダラス・カイケルやアダム・ウェインライトがカッターを有効活用している。その中で筆者が好きなタイプのカッターを投げているのがマーティン・ペレスだ。

 レンジャーズ時代はダルビッシュとも仲が良く、同じ先発ローテーションで回っていたので、日本人にも馴染みの深いサウスポー。ダルビッシュより1年早い2014年にトミー・ジョン手術を受けている。

 昨季からツインズに移籍すると、それまで投げていたスライダーではなく、ややスラットするようなカットボールを全投球の30%以上も投じるようになり、2年ぶりの2桁勝利を挙げた。

 もっとも、ピッチバリューがプラスとなっていたのはこのカッターだけで、防御率は5.12。どれか1つの球種だけで抑えるのは難しいが、組み合わせて抑えるには効果的な球種の1つであることは間違いない。

※回転効率:総回転数のうちボールの変化に影響を与える回転数の割合。

※Spin Axis:回転軸の傾き 時計盤の中心にボールがあると考えて“時間”で表記。例えば「6:00」の場合、ボールは投手からホーム方向へ12時から6時へ下向きの回転(トップスピン)をすることを示す。「12:00」の場合は6時から12時へ上向きの回転(バックスピン)、「3:00」の場合は9時から3時へフリスビーのような右向きの回転(サイドスピン)、「9:00」の場合は3時から9時へ左向きの回転(サイドスピン)となる。

※ピッチバリュー/100:その球種が生み出した得点貢献(期待失点の減少)を、100球投じた場合の平均に直したもの。例えば、ある投手の4シームが2.00ならば、「4シームを100球投げることで平均よりも2点の失点を減らした」ことになる。

【動画】これが史上最強のカットボール! メジャー史上最高652セーブの“伝説の守護神”リベラの厳選投球集

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