日本式か、メジャー式か…投手起用で負担が少ないのは? 医師と元MLB右腕が激論

古島医師「アメリカはプランを考える人がいて、それを実行する環境が整っている」

 1年という大枠を考えながら、段階的に1試合あたりの球数を微調整していく。それというのも、メジャーでは1シーズンあたりの球数に関する定説があるからだという。

「1シーズン3000球というのが1つの目安になっています。3000球以上投げたシーズンの翌年は統計上、成績が落ちる傾向にあるんですね。メジャーの長い歴史の中でそういうデータが出ている。こういった点では、日本はまだ遅れているんじゃないかと思います。

 それに、メジャーでは中4日のうちブルペンで投球練習するのは1回だけ。でも、日本の場合、僕が阪神で投げていた90年代には、中6日のローテーションで3回はブルペンに入らされましたよ。理由は、今考えると、コーチが安心したいからだと思います(笑)。投げている本人は自分が疲弊しないように、だましだまし投げていました」

 投手の起用方法について長期的なスパンで捉え、短期的なプランに落とし込むメジャー流について、古島医師は「そうやって考えることが非常に重要ですね」と話す。

「シーズンを通じて同じプランで臨み、調子が悪くなったら都度変更しようという考え方より、最初から2か月ごとの計画を立てていることが素晴らしい。アメリカ人は要領よく物事を進めることが得意で、プランを考える人がいて、それを実行する環境が整っています。日本ではスポーツの現場での環境整備が遅れていましたが、最近ではいろいろな理論を学ぶ指導者が増えてきたので、少しずつ反映されてきましたね」

 医学的見地からも、より怪我をしないような取り組みがなされているというメジャー流。「長いキャリアを送る意味でも怪我をしないことは大切ですし、本来スポーツは怪我をしながらやるものではありませんから」と言う古島医師は、球数と先発ローテーションの相関を陸上競技に例えて説明する。

「1試合を400メートル走に仮定した場合、何分インターバルを空けて走ればいいのか。結構きつい400メートル走を10本連続で走る時、インターバルがなかったら2、3周でパフォーマンスは上がらなくなります。でも、ちゃんとインターバルを取れば、パフォーマンスを維持しながら走れるわけです。日本の場合、1試合あたりの球数が多いので、400メートル走ではなく800メートル走に近いかもしれません。800メートルを走って中6日空けるのと、400メートルで全力を出し尽くす前に休んで中4日で走る。

 短い間隔で球数が少ないのと、球数が多いけど休みも多いというのでは、どちらがいいか判断するのは難しいかもしれません。ただ、藪さんが仰有ったように、2か月単位のプランに基づくものであれば、メジャー流の方が合理的ですよね。また、日本は間隔が長く空いても、その間に投げているのであれば、休みが多い意味はありません」

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藪氏「日本の投手はいい時期が6年、メジャーは10年以上続きます」

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