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DeNA、史上最長16試合連続○●○●はなぜ起きた? データが示す得失点の“法則”

開幕前に前評判が高かったDeNA。現時点では首位巨人と大きく離されているものの、勝率5割前後をキープしている。そんなDeNAのペナントレース前半戦を、得点と失点の「移動平均」を使って、チームがどの時期にどのような波に乗れたかを検証する。

左腕の今永、右腕の平良の両軸失うアクシデント、守護神・山崎の不調も

 目立った戦力補強のなかった投手陣だが、今季も大きな貢献を見せている。先発投手陣では、左の今永昇太、右の平良拳太郎の両軸が開幕からしっかりとクオリティスタート(QS、6回以上で自責点3以下)を重ね、ローテーションの中でも大きな存在感を見せた。特に平良は、開幕から8試合連続でQSを達成し、防御率1.72、WHIP0.99と抜群の安定感。制球の改善が昨年からの成長に寄与したものと思われる。しかし、8月16日のヤクルト戦で4回持たずに6失点で降板後、20日に背中の違和感を訴えて登録抹消。また今永も8月15日の同カードで平良と同じく4回持たず6失点の降板後、16日に登録抹消。一気にローテーションの両軸を失うアクシデントに見舞われてしまった。こちらも計算外だっただろう。

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 その後、大貫晋一や上茶谷大河がQSを重ね先発投手陣の核となっているが、コマ不足感は否めない状況である。

 救援投手陣に関しては、前年同様、パットン、エスコバー、石田健大、国吉佑樹が安定した活躍を見せている。ただ入団以来5年連続でクローザーの大役を担っていた山崎康晃が誤算だった。6月27日の阪神戦でサンズに逆転3ランを打たれ敗戦投手となると、7月19日の巨人戦では丸佳浩にタイムリー内野安打を打たれ1点のリードを守れず降板。さらには、7月26日の広島戦で會澤翼に逆転満塁本塁打を喫した。この時点で12試合に登板し6セーブはあげていたが、これまでの安定感は崩壊。過去5年の成績と比べてみても明らかだ。

○2020年7月26日までの成績
防御率8.74 被打率.353 奪三振率4.76 WHIP2.29

○過去5年(2015~19)の成績
防御率2.34 被打率.213 奪三振率9.97 WHIP1.06

 代わってクローザーを任された三嶋一輝は、ここまで安定感を見せている。

○7月29日に初セーブを記録してからの18試合、1勝9セーブ
防御率1.50 被打率.119 奪三振率9.00 WHIP0.58

 三嶋は2019年からフォークに挑戦し、その成果が2020年シーズンに現れた。昨季のフォーク割合は2%ほどだが、今季は20%を超える割合に。空振り率は7%ほどではあるが、被打率1割以下とバッターを抑えるのに有効な球種となっている。またストレートの平均球速も150キロを超えるようになり、その威力を増している。

 投打のバランスが取れていることを示すデータは、シーズン前の評判の高さを裏付けているが、投打の主力の離脱という計算外の事態に見舞われたことが、現在のリーグにおけるポジションに影響しているものと思われる。

鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ・ラジオ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。一般社団法人日本セイバーメトリクス協会会長。

JERAはセ・リーグを応援しています。

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