楽天石井GMが語るトレード活性化への思い 「“移籍先で活躍したら困る”は古臭い考え」

巨人に移籍した選手たちは「パフォーマンスが1ランク上がった」

「ウチからジャイアンツさんにトレードで行った選手は、パフォーマンスが1ランク上がった。水を得た魚という感じ。改めて、適材適所でしっかりチームにフィットすることが大事だと思う」と石井GM。

 かつて球界には「放出した選手が移籍先で活躍したら、面目が丸つぶれになる」との考え方が色濃く、トレードがなかなか活性化しなかった経緯がある。いまだ完全に払拭されたわけではない。石井GMは「僕には、活躍されたら困るという考えは全然ない。むしろ、やっぱりそこに行って良かったんだ、という思いです。もちろん、ウチに来てくれる選手には、来て良かったと思ってもらえる活躍、成長の場を提供したい。各球団が、そういう考え方になっていければいい」と述懐した。

 日本プロ野球選手会は当初、出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化する「現役ドラフト」の今季中の導入を目指していたが、新型コロナウイルスの感染拡大で経営サイドとの協議が中断している。石井GMは「現役ドラフトがなくても、球団は、選手の活躍の場がここにないなら、どこにあるかを考えてあげるべき」と訴える。

「(放出した選手が移籍先で)活躍して“しまった”というのは、古臭い考えだと思います」と言い切った石井GM。ポジションをめぐる過当競争や、チームの雰囲気に合わないことによってくすぶっている選手たちが、12球団の中で自分に最適の働き場所をみつけられるようになれば、理想的だろう。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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