楽天ドラ1小深田が新人王最有力? 専門家が推す理由と「1番の長所」とは…

楽天・小深田大翔【写真:荒川祐史】
楽天・小深田大翔【写真:荒川祐史】

「西武・源田のように堅守・俊足・巧打でレギュラーを長く張れる選手になりそう」

■楽天 9-3 ソフトバンク(30日・楽天生命パーク)

 楽天のドラフト1位ルーキー小深田大翔内野手が新人王争いの最有力候補に浮上してきた。9月30日には本拠地・楽天生命パークで行われたソフトバンク戦に「1番・遊撃」で出場し、4打数3安打1打点と猛打賞の活躍を見せて今季打率を.282に上げた。

 この日は初回にいきなり俊足を生かして二塁内野安打で出塁すると、続く鈴木の左翼線二塁打で一気に先制のホームへ。2回には右中間を破る三塁打を放ち、8回1死一塁で迎えた第5打席では左腕・川原からセンターオーバーの適時二塁打を放った。左打ちでありながら対右投手(180打数48安打、対戦打率.267)より、むしろ左投手(68打数22安打、同.324)を得意としている。

 小深田は今季ここまで打率.282、1本塁打19打点13盗塁の成績を残す。かつてヤクルトで名外野手として鳴らし、楽天で現役最後の2年間を過ごした飯田哲也氏は「バットが投球に対して素直に出るところが1番の長所。基本的に長打は捨て、ミートに徹しており、自分を熟知している印象。速い球に反応できるし、変化球もファウルにできる。西武・源田のように堅守・俊足・巧打でレギュラーを長く張れる選手になりそう」と評する。

 パ・リーグの新人王争いはロッテの4番に定着している安田と、最速160キロを誇る西武のセットアッパー平良が有力な候補と見られている。2人はいずれも今年21歳となる高卒3年目だが、昨季までの1軍出場が少なく、新人王資格を残している。小深田は7月末の時点では打率.246にとどまっていたが、8月は.281、そして9月は.324と急上昇。こちらは神戸国際大付高、近大、大阪ガスを経て入団し、年齢こそ25歳に達しているが、正真正銘の新人である。

 飯田氏は「小深田は、現時点で数字的に安田(打率.236、5本塁打、42打点、2盗塁)を上回っている。投手の平良とは比較が難しく、いい勝負かもしれないが、僕としては小深田を推したい」と言う。現在3位のチームをクライマックスシリーズ出場圏の2位以上へ引き上げる活躍ができれば、戴冠の可能性はさらに高くなる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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