首位陥落危機のホークス 工藤監督から飛び出した“総力戦”継投宣言「惜しみなく出す」

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

9日のロッテ戦でも2点ビハインドの終盤に嘉弥真や高橋礼ら勝ちパターンの投手を投入

■ロッテ 3-1 ソフトバンク(9日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは9日、本拠地PayPayドームで2位のロッテと首位攻防戦を戦い、1-3で敗れてゲーム差なしに並ばれた。初回に押し出しとエラーで2点を奪われ、打線は“天敵”二木の前に7回までわずか3安打で1点止まり。終盤は勝ちパターンの投手を注ぎ込む執念のリレーを見せたが、反撃はならなかった。

 初回、先発のムーアが先頭の藤原に、二塁への内野安打を許すと、中村奨へ四球、マーティンには死球を与えて無死満塁に。続く安田にも押し出し四球を与え、3連続四死球で先制点を献上した。さらに続く井上の三ゴロで捕手の甲斐が送球をこぼす痛恨のエラーを犯して2点目を許した。

 打線は初回、中村晃がソロ本塁打を放ったが、奪った得点はこの1点のみ。2回以降は三塁すら踏めず。ムーアが6回途中で降板すると、そこからは2点ビハインドにもかかわらず、嘉弥真や高橋礼といった勝ちパターンでも登板する投手たちを次々にマウンドに送った。

 この試合後、工藤公康監督は残る24試合を“総力戦”で戦っていくことを示唆した。「投手コーチにも話している。これまでは2連投で休みを入れたりしていましたが、ここからは3連投もあると伝えている。一進一退の戦いが続く。注ぎ込める時はいく。負けちゃいけないんだというのも伝えないといけない。出せる時は惜しみなく出していきます」。ここまで極力控えてきたリリーフ陣の3連投を解禁させ、今後は惜しみなく救援陣を投入する考えを明かした。

 今季はこれでロッテ戦は4勝11敗1分と、昨季に続く2年連続での負け越しが濃厚な状況。ロッテとはまだ8試合を残しており、3年ぶりのリーグ優勝のためには1試合も無駄にはできない。苦しい状況の中だからこその“総力戦”宣言ではあるが、残り24試合でのラストスパートは吉と出るか、凶と出るか。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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