6回決死の“マシンガン継投” 鷹・工藤監督の思惑と可能にさせた「7回の男」の存在
工藤監督の思い描いたプラン「6回だけ点を与えなければ」
■ソフトバンク 3-0 ロッテ(11日・PayPayドーム)
ソフトバンクが首位の座をガッチリと守った。11日に本拠地PayPayドームで行われたロッテとの首位攻防戦第3ラウンド。3回に中村晃の適時二塁打で先制すると、先発の和田が5回までロッテ打線をわずか1安打に封じる好投。6回からは6人の投手を注ぎ込む執念の継投でリードを守り抜いた。
3回に中村晃の適時二塁打を放って先制し、4回には松田宣の通算3000塁打を達成する9号ソロ、周東の適時内野安打でリードを広げた。先発の和田は5回までに4つの四球を与えたが、わずか1安打に封じて5回まで無失点と好投。この段階で和田の球数は93球。もう1イニング続投か、継投に出るか、工藤公康監督の決断は注目すべきポイントだった。
指揮官が下した結論は継投だった。まず、和田が初回から飛ばしに飛ばしていたことが理由に挙げられる。「球数もありましたし、最初から飛ばしているのは分かっていたので100球くらいかなと思っていた。本人も下半身に疲労があったということで代えました」。残り4イニングをリリーフで凌ぐプランに移った。
6回、まず右の泉圭輔をマウンドに送り、中村奨を中飛に打ち取る。左のマーティン、安田を迎えて嘉弥真新也を投入。左キラーはマーティンに四球を与えたものの、安田を遊ゴロに打ち取った。2死一塁で右の井上を迎えると、再び右の高橋礼にスイッチ。サブマリン右腕は見逃し三振で、この回を無失点で凌いだ。1イニングに3投手を注ぎ込む決死の“マシンガン継投”だった。