6回決死の“マシンガン継投” 鷹・工藤監督の思惑と可能にさせた「7回の男」の存在
3投手注ぎ込む継投を可能にさせた岩嵜翔の存在
この試合で鍵となったこの6回。工藤監督は「6回が1つのキモというか、流れを断ち切らないといけないと思っていた。和田くんが良かっただけに、その後が大事だと思った。6回だけ点を与えなければ、という思いがありました」と、6回の継投策について語る。6回さえ無失点で凌げば、この試合は逃げ切れる――。そう考えて徹底的にリリーフを注ぎ込んだ。
この継投を可能にしたのが、この日7回を任された岩嵜翔の存在だ。指揮官は「7回が決まるとリリーフの使い方は変わる。岩嵜くんの復調が大きい。7回は岩嵜くんにする予定でした」と明かす。開幕直後は不振だった右腕だが、10月2日の再昇格後は3試合連続で無失点リリーフ。この日も最速154キロの真っ直ぐと140キロ台前半のフォークを武器に1イニングを封じた。
ここ最近は8回のモイネロ、9回の森に繋ぐ、7回のセットアッパーが固まらなかった。泉や高橋礼などが担ってきたが、やや不安定ではあった。2017年の最優秀中継ぎ投手の岩嵜が復調したことで、7回岩嵜、8回モイネロ、9回森の方程式が固まった。今季は延長10回まで、そして翌日が試合のない月曜日ということもあり、6回に3投手という決死のリレーが可能になった。
ロッテ打線に試合を通じてわずか3安打しか許さずに逃げ切ったソフトバンク。今季初めてロッテに勝ち越し、その差を2ゲームに拡大させた。今季も残り22試合となり、ロッテとの直接対決は6試合を残す。勝負の終盤戦に向けて、ソフトバンクにとって、この1勝は大きな白星となりそうだ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)