補強ポイントは投手も1位候補は近大佐藤 巨人が育てたい亀井、丸の後釜

巨人・丸佳浩(左)と亀井善行【写真:荒川祐史】
巨人・丸佳浩(左)と亀井善行【写真:荒川祐史】

年齢別の戦力構成を見ると亀井、丸に続く、左の強打の外野手を熱望

 2020年のドラフト会議が10月26日に行われる。今年はスカウト活動が制限された中で迎えるドラフトとあり、どのような補強戦略を思い描くのか。年齢別の戦力構成を検証してみたい。今回はセ・リーグ首位独走と言えども、戦力強化は急務となる巨人だ。

 今年の巨人はエース・菅野智之投手が開幕から無傷の13連勝と大車輪の活躍。打者では本塁打王を争う現在25発の4番・岡本和真内野手、22発の丸佳浩外野手が中軸にどっしりと座っている。原監督の巧みな采配と眼力で、吉川尚輝内野手や松原聖弥外野手などの若手が力を発揮。その時、調子の良い選手が起用され、高いパフォーマンスを見せている。

 補強ポイントは先発投手だろう。菅野に続くのが2年目で8勝を挙げている新人王候補右腕の戸郷翔征投手。次は7勝のサンチェス。安定した先発投手がもう1、2枚、欲しい。田口麗斗や桜井俊貴投手ら本来の力が発揮できなかった投手たちは、当面は中継ぎに回ることになり、高橋優貴投手、畠世周投手らで先発を回していくことになる。現状から見れば年齢別構成の問題以前に、先発の即戦力をドラフト、オフの補強で加えたいところだ。

 しかし、巨人は近大の左のスラッガー・佐藤輝明外野手を筆頭に1位候補にするなど、ドラフトは野手路線。チームを長期的に見た場合、それは納得ができる。巨人の左の外野手は亀井善行外野手が38歳。レギュラーでは丸が31歳。出場機会を得ている25歳の松原も左だが、タイプとしては異なる。左翼と右翼はレギュラーが固定されていない。後進を育成しないといけない時期に来ている。

 今年は大学、社会人に上位候補、パンチ力のある即戦力野手が少なく、佐藤や中大の牧秀悟内野手に指名は集中する。投手の即戦力候補と違い、佐藤のようなスラッガータイプは毎年のようには出てこない。6年前の2014年、即戦力投手が多くいた中で、原監督が智弁学園の岡本和真内野手を指名したのも印象深い。稀代のスラッガーとして巨人を支える未来がイメージできていたからこその指名だった。

 複数球団が指名する見込みの佐藤とたとえ縁がなかったとしても、1位クラスの即戦力投手は残っているだろう。一昨年は7人中6人、昨年は6人中5人が高校生と、将来性を買ったドラフト。どの球団も獲得を熱望するが、左の大型野手と先発投手を補強のピースとして埋めたいところだ。

【表】菅野、戸郷に次ぐ先発が補強ポイントも…巨人のポジション別年齢構成一覧表

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