「若月も褒めたって」オリックス再建へ中嶋監督代行のお眼鏡にかなう正捕手は誰か

オリックス・若月健矢【写真:荒川祐史】
オリックス・若月健矢【写真:荒川祐史】

西村政権下では若月の出場機会が多かったが、中嶋監督代行は伏見を多く起用している

 西村前監督が指揮を執った8月20日までは、先発捕手は25歳の若月が42試合と圧倒的で、30歳の伏見は6試合、昨季途中に中日から移籍した松井雅は5試合に過ぎなかった。ところが中嶋代行の下では、伏見が30試合、若月は14試合(松井雅は5試合)と逆転している。中嶋代行は若月について「こちらからしたら物足りなさがあった。今日は(リードを)考えてくれたんだなと思います」と語った。

 ちなみに、昨季は若月のスタメン出場が116試合を占め、伏見は3試合、松井雅は12試合。他に現DeNAの高城が5試合、飯田が6試合、山崎勝が1試合だった。

「常勝チームには必ず名捕手あり」といわれる。特に、巨人V9時代の正捕手で、西武監督在任9年でリーグ優勝8回、日本一6回を誇った森祇晶氏は伊東勤氏(現・中日ヘッドコーチ)、ヤクルトを常勝球団にした野村克也氏は古田敦也氏を、名捕手に育てたことで知られている。

 中嶋代行は現役時代、オリックスの前身である阪急に入団し、西武、横浜(現DeNA)、日本ハムを渡り歩きながら、強肩強打の捕手として29年間にわたって活躍した。オリックスの正捕手を張ったこともあれば、西武で松坂大輔の専属捕手的に起用されたこともあった。

 昨季2軍監督としてオリックスに復帰した中嶋代行が、リードを重視して捕手を起用していることは間違いない。若い若月に対する期待の大きさもうかがえるが、自身の豊富な経験を生かして、どんな育成手腕を発揮するのか、楽しみだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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