驚愕の1試合3盗塁 初の盗塁王へひた走る鷹・周東が考える成功の極意とは?
「アウトにならないように、とか余計なことを考えない」
かつてスピードスターとして鳴らした赤星憲広氏は盗塁のポイントを「スタートを切る勇気」だと語ってきた。12球団でも屈指の盗塁の名手となった周東もその“極意”について「アウトにならないように、とか余計なことを考えないこと。セーフにはなりたいですけど、セーフになりたいとかも考えない。普通にいって普通に走ること。余計なことを考えないことです」という。
もちろん事前準備として相手投手の特徴やクイックの得手不得手、クイックのスピード、相手キャッチャーのスローイング力など、ありとあらゆる情報は頭に入れる、その上で塁上では、アウトになるかもという不安、そしてセーフになりたいという欲、そのどちらも排除して、ただ思い切ってスタートを切ることが盗塁成功の秘訣だという。
この日で39盗塁として、40盗塁にあと1つとした周東。自分たちの試合が終わった後には他球場の結果をチェックし、ライバルの西川のその日の盗塁数は必ずチェックするという。この日も試合を終えた直後にも関わらず「今日は1個でしたね」としっかりと情報は入れていた。
「35個くらいから40個はしたいと思っていました。50いければいいかな。ここまで来たら抜かされたくない気持ちはあります。でもチームの勝ちを1番に考えないといけない。そういう難しさはあります」。あくまでもチームの勝利、優勝は第一に考える。その中でできる限り次の塁を狙い、大台の50個を目指していく。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)