オリ吉田正、イチロー以来の生え抜き首位打者へ データに示された類稀なる数字

手術によりケガを克服して以降、2年連続で全試合に出場

 以上のように、打撃面で極めて優れた才能を有している吉田正だが、プロ初年度の2016年は63試合、2年目の2017年は64試合と、それぞれ出場試合数がシーズン全体の半分以下にとどまっていた。豪快なフルスイングの代償として腰にかかる負担も大きく、故障によって年間を通じて一軍に帯同できない時期が続いていたのだ。

 この課題を解消するべく、吉田正は2017年のオフに腰つい椎間板ヘルニアの摘出手術を受けた。この判断は奏功し、2018年から2シーズン連続でシーズン全試合出場を達成。現在も継続中の連続試合出場は既に300試合を超えており、故障によって本来の実力を発揮しきれなかった時期を、完全に過去のものとしつつある。

 以上のように、一目見てわかる強いスイングという見た目のインパクトに加え、数字や指標の面でも非常に優れた数字を記録しているのが吉田正の特徴だ。それに加えて、年々増加している本塁打数や、ひときわ高い今季の打率を見てもわかる通り、今なお進化を続けている途中という底知れないスケールの大きさも、吉田正の魅力をより一層引き立てている。

 名実ともにパ・リーグを代表する強打者の一人となった吉田正は、さらなる活躍の気配をうかがわせる今季、イチロー氏以来となるオリックス生え抜きとしての首位打者獲得を果たし、自身初となる主要打撃タイトル獲得を成し遂げられるか。鍛え抜かれた身体から生み出される迫力満点のひと振りに、今後のオリックスの命運が託されていると表現しても、決して過言ではないことだろう。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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