「勇気と笑顔を与えてくれた」ホークスのリーグV奪回に欠かせなかった天国の恩人

優勝の瞬間、川村氏の背番号「01」のユニホームが歓喜の輪の中へ

 そして試合ではロッテに快勝して3年ぶりの優勝を決めた。最後は周東佑京がセカンドゴロをさばいてゲームセット。マウンドの少し前方で抱き合う森唯斗と甲斐拓也のもとへ、守備位置やベンチから一斉に選手たちが駆け寄った。

 その時、選手会長でもある中村の手には川村氏のユニホームがあった。ひとときの歓喜を味わって、出迎える監督・コーチ陣と選手がハイタッチ。コーチ陣は中村が手にしたユニホームにも触れて、川村氏と喜びを分かち合った。

 優勝記者会見にも出席した中村は、川村氏のことにも触れてこう語った。

「亡くなった時には、みんなロッカーで泣きましたし、本当に信じられなかったんですけど、川村さんが望むことは、僕たちが前を向いて元気に野球をプレーすることだと思ったので、そこでチームがより1つになったと思います」

 天国の川村氏は、あの野太い声で「みんばよく頑張ったな~」と言ってくれたはずだ。同時に「は~い、次は日本一、いってみましょ~」といつものアップ時の掛け声のように呼びかけているに違いない。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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