西武、2位ロッテに1ゲーム差 辻監督も逆転CSへ「見えてきた、選手もその気になる」

西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】
西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】

元同僚の涌井を攻略「絶対打ちたいと思っている」木村が先制2ラン

■西武 4-3 楽天(28日・メットライフ)

 西武は28日、本拠地メットライフドームで楽天に4-3で競り勝ち、クライマックスシリーズ(CS)進出圏の2位ロッテへ、ついに1ゲーム差に迫った。かつての西武のエースで、今季2度の対戦で2勝を献上していた涌井を攻略し土をつけた。先発のドラフト2位ルーキー浜屋は、6回途中5安打1失点の好投で3勝目(2敗)を挙げた。

「見えてきましたね。これで選手たちはまた、その気になって試合に臨んでくれると思います」

 辻監督は試合後、破顔一笑。残り11試合で2位ロッテの背中にピタリと付き、勢いは追い上げてきた西武にある。

 2回2死二塁から、木村が涌井の真ん中に入ってきたシュートをとらえ、左中間席へ先制7号ソロ。木村はもともと投手としてプロ入りし、2歳上の涌井とは仲が良かった。昨年も、涌井を9打数4安打(対戦打率.444)1本塁打と打ち込み、ある日の試合前にあいさつに行った際、ふざけて軽い蹴りを入れられたこともある。

 木村はお立ち台で「個人的には、涌井さんからは絶対打ちたいと思って打席に入っています」と明かし、辻監督は「好投手・涌井が相手ですから、そう点は取れない中で、見事なホームランを打ってくれた」と称えた。

 1点差に迫られて迎えた6回1死一、二塁では、ベテラン栗山が右中間を深々と破る2点二塁打を放ち、貴重な追加点をゲット。守っては8回に平良が浅村に32号ソロ、9回には守護神・増田が小郷に3号ソロを浴びたが、なんとか1点差で逃げ切った。増田と捕手の岡田は、漫才コンビ「ますだおかだ」の岡田圭右の持ちネタにちなんだ「閉店ガラガラ」ポーズで締めた。

 辻監督は「平良も増田も、一発は反省しなければならないが、とはいえ、その後を抑えるところが、ウチの後ろ(終盤)を投げるピッチャーの強み。逃げ切れたのだから、これでOKだと思います」とうなずいた。リーグ3連覇は逃したが、過去2年間の優勝争いの経験が、最後に生きている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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