大量失点の“ワンサイドゲーム”多い西武…接戦に強い反面はらむ「脆さ」とは

昨季12勝1敗と奮闘したニールは精彩欠き先発陣手薄に

 西武はここにきて、7回を防御率1.49の森脇、8回を1.71の平良が担い、リーグ最多の31セーブを挙げている守護神・増田につなぐ“勝利の方程式”が確立。さらにドラフト1位ルーキーの宮川も調子を上げており、この“勝ちパターン”の救援陣の充実が、接戦をものにできる背景にある。

 一方、先発陣は相変わらず手薄で、チーム最多の8勝を挙げ、“ノーヒットノーラン未遂”を今季2度演じている高橋光以外には、信頼できるスターターが見当たらないのが実情。昨季12勝1敗、防御率2.87と大活躍したニールも、今季は5勝8敗、5.21と精彩を欠いている。チーム完投数はリーグ最少の1(9月8日オリックス戦での高橋光の1安打完封のみ)で、頼みのリリーフ陣に負担がかかり過ぎている。先発が序盤に崩れ、“勝ちパターン”以外の投手が登板する展開になると、一気に大差をつけられ試合を壊してしまうケースが多いのだ。

 残り10試合で2位の座を射止めるには、ロッテや、西武に1.5ゲーム差の4位につけている楽天の動向にもよるが、基本的に“捨て試合”をつくっている余裕はない。また、仮にCSに進出できたとしても、辻監督の下で初の日本シリーズ進出を果たすには、ソフトバンクに1勝のアドバンテージが与えられた状態から、3勝先取の4戦勝負を制さなければならない。鷹が誇る千賀、東浜の2枚看板のどちらかを必ず攻略しなければならないことも至難だが、何よりも先発陣に救世主出現が待望されている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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