なぜ西武は“ぽっちゃり系大砲”が育つ? 覚醒を促す「脱・固定概念」の土壌

桐蔭横浜大・渡部と西武・渡辺GM(左から)【写真:宮脇広久】
桐蔭横浜大・渡部と西武・渡辺GM(左から)【写真:宮脇広久】

渡辺GMの見解「ああいう体型の彼らが活躍できているのは……」

 西武は10月31日、ドラフト1位で指名した桐蔭横浜大の渡部健人内野手に指名あいさつした。身長176センチ、体重112キロを誇る大柄の長距離砲。似た体型の中村剛也内野手、山川穂高内野手とともに“ぽっちゃり3兄弟”と並び称される日が待ち遠しい。

 ドラフト会議で西武は、最初に早大の最速155キロ左腕・早川を1位指名し、4球団競合の末に抽選で外して渡部を指名し直した。この日、横浜市内の桐蔭横浜大を訪ねた渡辺久信GMは、「あらかじめ早川君を外した場合は野手でいくと決めていて、その1番手が渡部君だった」と説明。渡部は「高い評価をいただいて、うれしい」と笑みを浮かべた。

「長打力が自分の魅力だと思っている」とアピールする一方で、三塁守備も軽快。来春のキャンプでの内野ノックで、サードに中村、山川、渡部が顔をそろえるシーンを想像すると、壮観かつユーモラスだ。

 170センチ台中盤の身長に、100キロ超の体重となると、球団によってはドラフトの段階で評価が分かれたり、入団後に減量を命じられるケースもある。しかし西武では、中村が6度の本塁打王と4度の打点王、山川も昨年まで2年連続本塁打王の実績がある。

 ひょっとすると西武には、“ぽっちゃり系”の長距離砲を発掘する秘訣か、育成のノウハウがあるのだろうか――。渡辺GMに聞くと「特別なものは何もありません。ああいう体型の彼らが、プロの世界でしっかり仕事ができているのは、本人の努力に他ならない」と答えた上で、「選手ひとりひとりに、やりやすい環境を与えるのがチーム」と付け加えた。

 球団関係者は「ウチには『こういう体型の選手は、動きが鈍い』というような固定観念がない、ということです」と説明する。実際、若手の頃はチームメートから親しみを込めて『動けるデブ』と呼ばれていた中村同様、渡部も50メートル6秒3の俊足だ。「この体型にしては走れているのかな、と思います」と自信をのぞかせる。身軽なぽっちゃり系トリオの結成が、今から楽しみでならない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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