日ハム近藤健介はどうやったら打ち取れる? データも“お手上げ”の弱点のなさ

近藤の球種別打率【表:PLM】
近藤の球種別打率【表:PLM】

フォーク以外の全ての球種に対して打率3割以上…抜群の対応力

 最後に、今季の球種別打率についても見ていきたい。

 フォーク以外の全ての球種に対して打率.300以上。抜群の対応力を示している。フォークのみ極端に苦手としているが、それ以外の7つの球種は全て得意と形容してもいいほどだ。

 カットボール、スライダーの2球種は特に得意としており、ともに球種別打率は.400を超えている。全体の割合として左投手よりも多い右投手がこの2球種を用いる場合、左打者の近藤にとっては内に食い込んでくる球になる。そういった球種を打ち込んでいる点も、先述したインコースへの強さを支える要素となっていることだろう。

 カットボールへの強さも含め、ストレートやシンカー・ツーシーム、シュートといった速球系の球種に対しては、すべて打率.300以上の数字を記録。加えて、チェンジアップとカーブといったブレーキの効いた球に対しても優れた数字を記録しており、緩急どちらにも対応できている。

 コース別の打率と同様、明確な弱点こそ1つ存在するものの、それ以外の球種に対しては極めてハイレベルな数字を記録。ほとんどの球種に対応できることを考えれば、フォークを持たない投手にとっては決め球を設定するのにも難儀するところだ。やはり、打者としての穴の少なさ、打ち取りづらさはリーグ屈指のものがあるだろう。

 コース別の打率、球種別の打率ともに穴が極めて少なく、指標の上でも安定した数字を残し続けている近藤。レギュラー定着以降は安定して高打率を記録し続けているが、柳田や吉田正、現レッズの秋山翔吾外野手、西武の森友哉捕手ら好打者たちの壁に阻まれ、首位打者や最多安打を獲得したことは一度もない。抜群の対応力を活かしたシュアな打撃を勝負どころでも発揮し、来シーズンは初の栄冠を勝ち取れるかに注目したい。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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