キーマンが坂本勇人でなかったワケ… 鷹・甲斐拓也が明かした昨年の日本Sからの“繋がり”

第1戦で坂本の打席に感じた昨年の“内角攻め”の効果

「去年の繋がりを考えたらそうなるし、見ていきながらやっていこう、と。去年の繋がりも踏まえて、まずは確認作業をしていこうとしました」

 こうして臨んだ第1戦。初回に坂本の第1打席を迎えた。初球は外角の156キロでボール。2球目は外角への156キロ、3球目は外を要求したカットボールが中に入り、いずれもファウルとなった。この打席の坂本は外のボールに対して、しっかりと踏み込めてはいなかった。昨年のシリーズが“布石”として残っている、と確認できた瞬間だった。

 そうなれば、これをそのまま生かしていけばいい。無理にインコースに突っ込むことはなく、内角を意識させたまま、外角を中心に攻めた。安打こそあれ、得点につながったのは第4戦の初回に許した適時二塁打の1本のみ。4試合で14打数3安打、打率.214。岡本とともに波に乗せることなく、シリーズを戦い終えた。

 日本一を成し遂げた後に甲斐はこう話した。「ピッチャーが頑張ったことは間違いない。僕がどうこうじゃなく、ピッチャーが頑張ってくれた結果だと思います」。もちろん、リードに応えた投手陣の働きがあってこそ。甲斐とソフトバンクバッテリーは昨季からの“繋がり”を生かして巨人打線を封じ込めた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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