正捕手の安定がチームの安定? 鷹以外は固まらなかったパ球団の捕手事情

ロッテの捕手成績【表:PLM】
ロッテの捕手成績【表:PLM】

オリックスは若月が出場試合を減らし、伏見が台頭

・ロッテ

 2015年から正捕手を務める田村龍弘は今季も捕手としてチーム最多となる92試合に出場した。ただ、打率が2割を割り込み、9月9日の日本ハム戦では死球を受けて骨折して離脱した。復帰後の10月29日のソフトバンク戦、30日の楽天戦では、ともにワンバウンドの暴投を止められず決勝点を献上。チームが2位に躍進する中で、個人としては苦しいシーズンとなった。

 昨季も控えとしてチームを支えた柿沼友哉は種市篤暉の登板試合などでマスクを被り、巧みなインサイドワークを見せた。しかし、打率1割台とオフェンス面で課題を残し、チームが緊迫の上位争いを繰り広げた終盤は出場機会を大きく減らした。来季は攻守でさらなる成長を見せ、本格的に正捕手の座をうかがう1年にできるか。

 ドラフト2位ルーキーの佐藤都志也は、即戦力の期待通り開幕1軍入り。6月27日のオリックス戦ではプロ初安打となるサヨナラタイムリーを放ち、存在感を発揮した。その後も第3捕手として1軍に定着し、代打や指名打者として奮闘した。だが、指名打者としてスタメン出場を続けた10月は月間打率.143と振るわず。送球や捕球を含む守備面でも、まだ課題は多い。

オリックスの捕手成績【表:PLM】
オリックスの捕手成績【表:PLM】

・オリックス

 若月健矢は2017年から3年連続で100試合以上に出場し、昨季は自己最多となる138試合でプレー。今季は6月30日の時点で打率.300と、課題の打撃で開眼の兆しを見せていた。しかし、8月は月間打率.103と苦しみ、出場試合数も100試合に届かなかった。

 伏見寅威は、2018年に代打の切り札や一塁手などとして出場機会を増やし、打率.274と活躍を見せた。昨季はアキレス腱断裂の大ケガを負い、シーズンを棒に振ったが、リハビリを乗り越えた今季は本職の捕手としても奮闘。本塁打は昨季までのキャリア通算(3本)の倍を記録し、改めて秘めたポテンシャルの高さを見せた。

 昨季途中に中日から加入した松井雅人も開幕から一定の出場機会を得ていた。ただ9月初旬に故障で約1か月間戦列を離れ、正捕手争いでは遅れをとっている。2年目の頓宮裕真選手は今季から捕手に再転向。しかし開幕直後に骨折。来季は、非凡な打撃センスを存分に発揮してほしいところだ。

パ6球団で正捕手としてシーズンを通して活躍したのはソフトバンクの甲斐

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