「批判は覚悟」で鷹柳田は“落選”…専門家が独自選出したパのゴールデングラブ賞は?

西武・源田壮亮【写真:荒川祐史】
西武・源田壮亮【写真:荒川祐史】

三塁の対抗馬はソフトバンク・松田宣、遊撃は安定の西武・源田

○三塁手
鈴木大地(楽天)
88試合、守備機会183、守備率.978
62刺殺117補殺4失策10併殺

 対抗馬はソフトバンク・松田宣だった。「今季は打撃不振にあえいだ松田だが、守備は相変わらずうまい。タイミングよく投手に声をかけムードを盛り上げるようなリーダーシップは抜群。これも重要な“守備力”だ。しかし、鈴木大はこの部分でも移籍1年目にも関わらず、しっかり発揮していた」と野口氏。甲乙つけがたいが、7失策、守備率.968の松田宣を、鈴木大がわずかに上回った。

○遊撃手
源田壮亮内野手(西武)
120試合、守備機会534、守備率.983
189刺殺336補殺9失策85併殺

 失策が多いように思えるが、その多くは驚異的な守備範囲で打球をさばき、送球がわずかにそれて記録されたもの。凡エラーはほとんどない。難しいゴロもさりげなくさばく。「#源田たまらん」とハッシュタグを付けたツイートも広がるほどで、野口氏も「まさに一択。悩むところではない」と言うのみ。9月15日のロッテ戦で、1回1死からマーティンが放った投手強襲の当たりを、素手で拾って軽やかに一塁で刺し、ごく普通の「遊ゴロ」で収めたプレーなどは圧巻だった。

○外野手
辰己涼介(楽天)
97試合、守備機会192、守備率.974
182刺殺5補殺5失策2併殺

和田康士朗(ロッテ)
49試合、守備機会55、守備率1.000
53刺殺2補殺0失策1併殺

レオネス・マーティン(ロッテ)
101試合、守備機会183、守備率.967
169刺殺8補殺6失策1併殺

 野口氏が「ご批判は覚悟の上。今年のゴールデン・グラブ賞でソフトバンク・柳田が落選することはまずありえないが、僕は一見の価値があるプレーをする選手や、将来へ向けて希望を持たせてくれる選手を選んだ」と声を大にしたのが外野部門だ。辰己については「打撃でなかなか結果を出せないため、ベンチを温めることも多いが、こと守備に関しては、足が速く、打球に対する勘も鋭く、一直線に落下地点へ至る。肩も強い」と絶賛した。

 6月に育成選手から支配下登録を勝ち取った和田に至っては、「チーム試合数の1/2(60試合)以上に外野手として出場していること」という要件に満たず、受賞資格がない。それでも、代走などでリーグ3位の23盗塁をマークした俊足は、守備でもいかんなく発揮された。8月29日のオリックス戦に「1番・中堅」でスタメン出場し、5回2死二塁で福田周が放った痛烈な右中間への打球を、ダイビングキャッチしたプレーなどは、まさに一見の価値あり。マーティンはリーグトップの8補殺を記録した強肩が「エグい」。サプライズも込めた3選手の顔ぶれとなった。

【動画】まさに「たまらん」好守! 野口氏が絶賛した西武源田の芸術的ベアハンドキャッチ

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