初代エース岩隈の決断、歴史的大敗、野村克也氏… 楽天が歩んだ歴史を振り返る

歴史的大敗も、波乱に満ちた船出

 そして迎えたファーストシーズン。記念すべき初陣となった2005年3月26日のロッテ戦は、岩隈の好投などもあり3-1で見事に勝利。しかし、翌日の同カードでは0-26で歴史的大敗を喫し、完封試合での最多得点差タイ記録に並んだ。本拠地開幕戦では、磯部公一選手の球団初本塁打もあって1万7236人の観客の前で勝利を収めるなど、奮闘を見せるも報われず。終わってみれば38勝97敗1分、勝率はわずか.281。レギュラーシーズン1位のソフトバンクに51.5ゲーム差の最下位に終わり、田尾監督が1年で解任する波乱の1年目となった。

 翌2006年からは名将・野村克也氏が監督に就任。そしてこの年入団した青山浩二投手や銀次内野手は、チームをけん引する中心選手へと成長していく。また、2020年から1軍打撃コーチに就任した鉄平外野手が中日から移籍加入するなど、少しずつではあるが選手層に厚みが出始めた。

 2年目も最下位に終わったが、4人の3割打者が誕生するなど(リック、フェルナンデス、鉄平、高須洋介)、明るい材料も多かった。さらにこの年のドラフトでは田中将大投手をはじめとして、嶋基宏捕手や渡辺直人内野手など、現在のチームに大きな影響を与える選手を獲得している。

 そして野村監督の熱血指導が結果に現れ始める。2007年、ルーキー・田中が高卒ながら先発ローテーションの一角を担うと、11勝を挙げる活躍で新人王を獲得。さらに主砲・山崎武司内野手が最多本塁打と最多打点の2冠に輝き、勝ち頭・岩隈の不調もチーム全体でカバー。2年連続で最下位だったチームが4位に浮上した。

 2008年は岩隈が21勝4敗、防御率1.87の好成績を残して最優秀防御率、最多勝、最高勝率の3冠に加え、最優秀選手、沢村賞に輝き、リックは打率.332で球団初の首位打者を獲得。打線は主にリック、フェルナンデスそして山崎が中軸として機能し、リーグトップのチーム打率.272をマークした。しかし、創設以来守護神を務めていた福盛和男投手のメジャー移籍もあってか、救援陣が不安定となり、5位でシーズンを終えた。

創設史上最高順位でCS初進出、個人タイトルも続々と

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