ロッテ、なぜ得失点差-18で2位躍進? 快進撃を可能にした投手運用の“管理力”

年間を通じて得点力不足に悩まされた打線と、それをカバーした投手陣

 まず、2020年のロッテが記録した各種のチーム成績と、リーグ内における各成績の順位を紹介していきたい。

ロッテの投手、野手成績【写真:(C)PLM】
ロッテの投手、野手成績【写真:(C)PLM】

 主要な打撃成績は打率・長打率・安打がリーグ最下位、得点・打点が同5位、本塁打数は同4位タイと、軒並み低調だった。ブランドン・レアード内野手が序盤に故障で残りのシーズンを棒に振り、終盤にはチーム本塁打数の4分の1以上を叩き出していた主砲のレオネス・マーティン外野手も負傷。主砲の井上晴哉内野手も9月以降の51試合で本塁打はわずかに3本と終盤戦は絶不調に陥り、最後まで得点力不足は解消されなかった。

 その一方で、投手成績については失点数がリーグで2番目に少なく、防御率もソフトバンクに次ぐリーグ2位。とりわけ、規定投球回到達者の中で与四球がリーグ最少だった美馬学投手、2番目に少なかった石川歩投手といった制球に優れた投手たちの存在もあり、四死球の数はそれぞれリーグ最少であった。また、守備面でもチームの総失策数がリーグ最少と、投手陣だけでなく、守備に就く野手たちもミスが少なかった。

 制球、守備面のミスの少なさに加えて、唐川侑己投手、フランク・ハーマン投手、澤村拓一投手、益田直也投手といった強力なリリーフ陣の存在も大きい。彼らの活躍によって、僅差の試合を勝利に結び付けることも多かった。このように、打線の得点力不足を投手陣がカバーし、上位進出を果たしたシーズンだったと言える。

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