日本シリーズ4連覇のホークス 周東ら若鷹が成長、役者揃いの強力打線【野手編】

苦しんだ主力級、チャンスをつかむ挑戦者たち

 そんなソフトバンク打線だが、すべてがうまくいったわけではない。チームリーダーとして期待された今宮健太内野手は、8月下旬に左ふくらはぎ付近のヒラメ筋損傷で戦線離脱。43試合の出場にとどまってしまった。また、3年連続2桁本塁打をマークし、中軸として期待された上林誠知外野手は、開幕戦こそ1番でスタメン起用されたものの、なかなか本来のバッティングを披露できず、打率1割台と苦しんだ。新主砲として注目された新加入のバレンティン外野手もパ・リーグの投手に対応できず、悔しいシーズンとなった。

 彼らの不調でチャンスをつかんだのが、川瀬晃内野手と真砂勇介外野手だ。23歳の川瀬は、まだまだ粗削りな部分はあるものの、主に遊撃手として70試合に出場しシュアな打撃と軽やかな守備を魅せるシーンも。ピンチの際、マウンドに声をかけにいく姿が目立つなど、振る舞いにも少しずつ余裕が生まれてきたようだ。真砂は主に守備固めでの起用が続いたものの、50試合に出場して3年ぶりの一発を含む打率.314と成長を見せ、ついにポテンシャル開花の予感を漂わせている。

 最後に、注目の若鷹たちを紹介しよう。ドラ1ルーキー・佐藤直樹外野手は、1軍出場こそ叶わなかったもののウエスタン・リーグで20盗塁をマークし最多盗塁のタイトルを獲得。成功率100%というのは特筆すべき数字だ。

 そして4年目の三森大貴内野手も首位打者、最高出塁率、「ポスト松田」として期待されるリチャード(砂川リチャード)内野手も本塁打王、打点王の2冠に輝き、ウエスタンの打撃タイトルはすべて若鷹が占めるという結果。他にもルーキーながら1軍でプロ初安打を放った柳町達外野手、捕手登録ながら二塁、外野などでも出場機会を増やした異色のプレーヤー・谷川原健太捕手なども好成績を残している。

 3年ぶりのリーグ制覇と4年連続の日本一を達成し、黄金時代を築きつつあるソフトバンク。来季はどのような布陣でシーズンを戦い抜くのか。その争いはすでに始まっている。

(「パ・リーグインサイト」岩井惇)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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