甲子園で物議醸した「カット打法」 元花巻東の“小兵野手”が切り拓いた生きる道

千葉さんは昨季まで九州三菱自動車でプレーした【写真:本人提供】
千葉さんは昨季まで九州三菱自動車でプレーした【写真:本人提供】

甲子園でホークス板東ら好投手を攻略も高野連からの注意で封印「ルールなので仕方ない」

「あれは負けた悔しさの涙です。ずっと日本一を目標にしてましたので。(カット打法は)状況に応じた打撃をする上で、自分の引き出しの中の1つです。(カット打法の封印は)引き出しの中の1つがなくなったぐらいで。『ルールはルールなので仕方ない』と切り替えてやってました。(気持ち的には)いつもと変わらなかったです。結果は出ませんでしたが、それは言い訳にはならないです」

 158センチ外野手の持ち味は守備と粘り強い打撃。日大、九州三菱自動車でも、そのスタイルは変えなかった。「(カット打ちは)全部が全部ではなく、状況に応じてやっていました。ただ、投手の球筋も違うし、1人1人のレベルも高い。難しかったですね」と振り返る。それでも、野球選手としては小さな体でアマチュアの第一線を走ってきた。その経験と自負を地元へ還元するつもりだ。

「今までずっと野球。野球は人生の軸です。これからも何かしらの形で野球に携われればと思っています。野球をする人が増えてくれたら嬉しいですし、岩手県の野球のレベルが上がってくれれば嬉しいです。(カット打法は)ミートポイントを手前にずらすというイメージです。(子どもたちに)聞かれたら教えたいと思います」

 かつて甲子園を沸かせた千葉さんの野球への情熱は決して衰えない。

 ◆千葉 翔太(ちば・しょうた)1995年7月2日、岩手・奥州市生まれ。25歳。小学4年時から水沢リトルで野球を始め、投手としても活躍。花巻東高1年冬に外野手一本で勝負し、2年秋からベンチ入り。3年夏の甲子園に出場した。日大では1年春から2部リーグ戦出場。3年春に1部昇格し、同年秋にリーグ優勝を経験。明治神宮大会に出場した。158センチ、59キロ。左投左打。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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