中日のドラ1は育っているか? 10年の大野雄は沢村賞獲得も13年以降は厳しく…

中日・石川昂弥、柳裕也、根尾昂(左から)【写真:荒川祐史】
中日・石川昂弥、柳裕也、根尾昂(左から)【写真:荒川祐史】

2009年から2012年の間で指名した4人は1軍の戦力に

 佛教大から入団した大野雄は2013年から3年連続で2桁勝利。2019年に最優秀防御率のタイトルを獲得すると、今季は10完投6完封という驚異的な活躍を見せ、2年連続の最優秀防御率に加え、最多奪三振のタイトルを獲得。初の沢村賞にも輝き、採点も満点の10点に。2008年以降のドラフトでは最高の成果といえるだろう。

 大野雄の翌年、2011年のドラフト1位で入団した高橋周平も成果をあげている1人だろう。3球団競合で加入すると、頭角を現すまでに少々時間はかかったものの、2018年にレギュラーの座を確保。勝負強い打撃と安定した守備でチームに不可欠な存在となり、2019年にベストナインとゴールデン・グラブ賞、2020年もゴールデン・グラブ賞に輝き、評価は8点となった。

 2人のほか2009年の岡田俊哉投手は血行障害を患いながらも、主に中継ぎとして昨季まで329試合に登板している。2012年の福谷浩司投手も2014年に中継ぎで72試合に登板。その後、一時成績を落としたが、昨季先発として14試合で8勝2敗の好成績をマークしており、今季もローテの一角として期待されている。

 2009年から2012年の4年間に指名された上記の4人は成果を上げているものの、近年は目立った存在がいない。2013年以降のドラフト1位では、2016年の柳裕也投手がローテを担って2019年に11勝をあげているが、その他の選手は期待値ほどの活躍を見せられておらず。落合博満GM体制下で指名した2013年の鈴木翔太は戦力外となって今季から阪神の育成に、2014年の野村亮介は3年で戦力外となった。鈴木は2点、野村は1点と残念な点数となっている。

 ここ3年間は、2018年の根尾昂内野手、2019年の石川昂弥内野手、2020年の高橋宏斗投手と地元に縁のある将来性豊かな高卒選手を1位で指名。球界を代表する選手になるポテンシャルを秘める彼らがチームの中心に育つことを期待したいものだ。

【表】活躍を数値化… 現行システムとなった08年ドラフト以降の中日ドラ1を独自検証

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