メジャー時代と特徴一変? ロッテ・マーティンが日本で遂げた進化の証とは…

メジャー時代は徐々に本塁打数を増やすも、もともとは俊足好守の外野手

 打率こそ2年続けて.230台と高いとは言えないが、優れた選球眼を持ち合わせているのも特徴のひとつ。昨季は規定打席到達者の中で26人中23位の打率.234だったのに対して、出塁率は同6位の.382と高い。OPSも2年連続で.800台と十分な数字を残しており、その貢献度は打率以上に高い。

レオネス・マーティンのMLBでの年度別成績【画像:(C)パ・リーグ インサイト】
レオネス・マーティンのMLBでの年度別成績【画像:(C)パ・リーグ インサイト】

 MLBで残した成績も紹介していきたい。キューバ出身のマーティンは若くして母国リーグで台頭し、2009年に21歳の若さでWBCのキューバ代表にも選出されている。翌2010年に亡命してMLBへの挑戦を選択し、2011年にはレンジャーズでメジャーデビューを果たした。

 米球界で3年目となった2013年に出場機会が急増し、打率.260でリーグ5位の36盗塁を記録した。続く2014年も2年連続で30を超える盗塁を記録。打率も.274をマークして、レンジャーズの主力の1人となった。2016年にマリナーズへトレード移籍すると、新天地では再びレギュラーに。リーグ7位の24盗塁をマークしただけでなく、キャリア最多の15本塁打を放った。

 翌2017年も主力としての活躍が期待されたが、34試合で打率.174と不振に陥り、シーズン途中にカブスに移籍。計2球団でプレーした2018年は84試合で11本塁打とパンチ力は増しつつあった。2019年には65試合で9本塁打とさらにペースは上がっていたものの、打率は.200を切り、シーズン途中にロッテへ移籍することとなった。

 MLB時代とNPB時代の成績を比較すると、機動力や長打力といった目に見える部分の変化が際立つ。ただ、それ以上に出塁率に大きな違いが生じているところは見逃せない。出塁率を大きく向上させる要因となっているのが選球眼。それを確認するために、セイバーメトリクスで用いられる指標を利用していきたい。1打席ごとの三振数の割合を表す「三振率」、同じく1打席ごとに選ぶ四球の数を示す「四球率」、出塁率と打率の差である「IsoD」、四球と三振の割合から選球眼の良さを求める「BB/K」といった指標を確認してみよう。

ロッテ加入後は四球を選べるようになり、著しく出塁率が向上

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