鷹・小久保ヘッドが「楽しみ」というパワー “ポスト松田”を狙う4年目の大砲候補

キャンプで汗を流すソフトバンクのリチャード【写真:代表撮影】
キャンプで汗を流すソフトバンクのリチャード【写真:代表撮影】

意気込むリチャード「1日1000スイングして、エゲツないバッターになりたい」

 1日に宮崎市内で春季キャンプをスタートさせた王者ソフトバンク。2年連続のリーグ優勝、5年連続の日本一を狙うディフェンディングチャンピオンにとって、積年の課題となっているのが、和製大砲の育成だ。

 チームには柳田悠岐外野手という球界を代表する強打者がおり、昨季は若い栗原陵矢捕手も台頭してきた。ただ、チームにとっては“右の強打者”が育ってきていない現状にある。内川聖一内野手が退団してヤクルトに移籍し、松田宣浩内野手も37歳になった。松田とてポジションを易々と譲るはずもないが、そのポジションを争う存在はすぐにでも出てきてもらいたいところだ。

 この右の大砲育成を託されるのが、今季から就任した小久保裕紀ヘッドコーチだ。キャンプ初日から、打撃回りで8箇所同時に打者が打撃練習に取り組めるようにするなど“色”を滲ませた小久保ヘッドが「あのパワーは楽しみですね」と語ったのが、今季で4年目となるリチャード内野手だ。

 就任会見の際にも小久保ヘッドが名前を挙げて期待を寄せていたリチャード。2017年の育成ドラフト3位で入団し、昨季の開幕前に育成から支配下に昇格して脚光を浴びた。だが、新型コロナウイルスの感染拡大で遅れた開幕では1軍入りならず。2軍ではウエスタン・リーグで本塁打王と打点王の2冠には輝いたものの、1軍のチャンスはやってこなかった。

 ただ、その類稀なるパワーはやはり魅力的。キャンプ初日の打撃練習でもそのパワーを見せつけた。リチャード自身はキャンプ初日を終えて「とりあえず自分のできることは出し切りました。今までに結構振り込んだ時には調子もよくなっていったので、1日1000スイングできる時間を取れるのはありがたいです。楽しみです」と、小久保ヘッドが課す“1日1000スイング”のノルマを歓迎する。

「前半は良かったんですけど、後半はバテてしまった。1日1000スイングして、エゲツないバッターになりたいです」とも語るリチャード。このキャンプではリチャードと同期の増田珠内野手もA組でスタート。栗原も三塁守備に挑戦する。「三塁を色んな人にやらせるというのはニュースで見ました。そこに強引に割り込めるようにアピールしていきたいです」。小久保ヘッドも期待するパワーを武器に、リチャードが“ポスト松田”の座を狙いにいく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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