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菓子折りを持ってくるメジャーリーガー 自然と愛され、伸びる有原航平という男の素顔

日本ハムから大リーグのレンジャーズに移籍し、7日の渡米に合わせて「Full-Count」に手記を寄せた有原航平投手。在籍6年間、メディアに決して多くを語らなかった男は、どんな素顔を持っていたのか。手記の構成を担当し、早大時代から知る編集部記者が明かした。

「パスモも持ってますから」、電車で来て電車で帰る姿に膨らんだ期待

 ドラフト1位、まして数球団の競合という期待通りに活躍することは決して簡単ではない。しかし、1歩ずつ階段を上がりながら、新人王、日本一、最多勝と、プロ野球選手として輝かしい実績を残した。その裏に、自然と愛され、伸びる、星の下に持って生まれたものがあった気がしてならない。

 有原との思い出で、忘れられないひと言がある。

 2014年のドラフト会議2日前のこと。運命の日に向けた心境を聞こうと、渋谷の喫茶店で会った。その時、投手としての伸びしろの話になり、彼は言った。「まだ自分の納得いく球を投げられたことが1球もない。もっとやれると思っています」。今回、当時のことを話すと、本人は「覚えてないですねえ……」と笑ったが、伸びしろについては「それは、今もまだまだ感じています」と6年前と同じように言った。

「自分が求める理想には追い付いていない。球速ももっと伸びるし、コントロールももっと磨ける。まだまだ成長している段階だと思っているので」

 菓子折りを持ってくる折り目正しきメジャーリーガー。世界最高峰の舞台に身を置き、壁にぶつかることもあるだろう。しかし、揺るがない信念を持ち、謙虚で、驕ることもない“らしさ”を失わなければ、節目節目で助けられ、時間はかかっても求める高みにたどり着ける。そんな気がする。

「都内の移動は電車が一番です。パスモも持ってますから」と言い、電車で来て、電車で帰って行った。その姿を見て、期待は自然と膨らんだ。

(神原英彰 / Hideaki Kanbara)

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